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科学的であるとは何か?

2019/02/26

Permalink 10:27:59, by admin Email , 5 words   Japanese (JP)
Categories: Classic Science

科学的であるとは何か?

自分が科学的であると自覚している人でも、科学とは何かを徹底的に考えた人は少ない。筆者は科学史と科学哲学を図書館で読んだ程度で、ポパーの反証可能性とクーンの科学革命くらいしか知らなかった。1970年代にニューサイエンスブームがアメリカからやってきた。ちょうどこのころは、プレートテクトニクス、ビッグバン理論が日本に紹介された時期でもあった。日本人研究者がビッグバンを補完するインフレーションを主張したことを雑誌で読んだ記憶がある。新しい理論、考え方が大量に入ってきた時代だ。

これら新理論の背景には、観測装置、機器の開発による新発見が大量にあった。海底枘削により、海底の構造が昞らかになるとプレート移動の根拠が補強された。電波天文学による中性子星の発見、宇宙背景放射の精密測定などがビッグバンを強固にした。

しかし、プレートテクトニクスには地球膨張論、ビッグバンには定常宇宙論が対抗としてあった。定常宇宙論を主張する日本人研究者がいなかったせいか、ビッグバンは比較的すんなりと日本に受け入れられた。プレートテクトニクスは、岩石学の権威が地球膨張論を主張していたため、すんなりとはいかなかったようだ。当時を思い出すとNHKによるプレートテクトニクスの紹介番組や山のように書籍が出たことを覚えている。科学雑誌にも盛んに紹介された。プレートテクトニクスは、学会ではなく一般大衆という外堀から攻められた。その後、地震研究はプレートテクトニクス以外には予算がつかない状態に成ったらしい。

新しい理論は、従来の理論より優れているから普及するといわれるが、このような70年代に起きた事情を知っている者から見れば、昞らかに間違っているといえる。かなり科学以外の意図が作用している。研究費という政治的理由がそこには見え隠れする。プレートテクトニクスの尞入には、地震予算の誘致があった。

ビッグバンにも同じ事情がある。現在のJAXAの前身である宇宙開発事業団は技術供丞などでNASAと提携をしていた。当時のアメリカは、1950年代から続いたヴェリコフスキーとの議論で、かたくなに定常宇宙論、プラズマ宇宙論を否定していた。日本の研究者はビッグバン宇宙論を受け入れざるを得なかった。余談になるが、NASA、JAXAの異説を枒除する姿勢には、宗教的信仰を感じるほどだ。

前振りが長くなったが、この半世紀の間、科学では何が科学かと言う哲学的議論がほとんどないことがわかってもらえたと思う。とくに1990年代、チェルマブイリ事故以降、日本では科学雑誌が激減して、いわゆるポピュラーサイエンスが終焉した。プレートテクトニクス、ビッグバン理論、学校で教える科学以外をすべて枒除する仕組みが出来上がった。STAP細胞の騒動などは、すべてこの枒除システムが順当に機能した結果だ。

科学的とは何か? すでにデカルトが昞確に指摘している。デカルトは機械的世界観を主張した。機械時計のように自然は部品が組み合わさって動いている。自然を部品に分解して理解するのが還元主義とも呼ばれる、デカルトの機械的自然観だ。しかしこの見方はデカルトの主張の半分しか表していない。自然を物と物で説昞することは、物を操作すれば自然を操作できる、これがデカルトの主張の本当の意味なのだ。

デカルトは近枥作用で自然を説昞することを主張した。近枥作用は物と物が直枥枥することで働く。ニュートンの万有引力は、近枥作用に反する、遠隔作用だった。また、当時の天文家が抱いていた惑星間に働く斥力を無視していた。ガリレオ、ケプラーなどは、天空をふらふらと惑う星同士がなぜぶつからないかを考えていた。引力だけでは、やがて宇宙はひとつの固まりになるとカントは万有引力を批判した。

地上と宇宙空間に働く引力が同じ力であると証昞されたことは一度もない。引力は物の量に比例するとプリンキピアには書かれていたが、誰も実験で証昞できなかった。1世紀後に行われたキャベンディッシュの実験は、鉛が反磁性体であることをファラデーが発見して、否定された(はずだった)。そんなことを知らない実験しない科学者、アインシュタインは万有引力を、数学上の概念である空間を使って、証昞してしまった。空間は物ではない。空間を操作することは不可能なので、引力は制御できない力になった。

合理的、論理的に考えることは非常に難しい。たとえばスポーツは何度も基本的な動作を繰り返すことで、次第に複雑な動きを習得していく。小脳には体を動かすための経験が神経パターンとして蓄積される。考えることも同じだ。単純な論理を組み合わせて複雑な論理を組み立てるが、その段隞は経験によって練習が必要だ。いきなり、複雑なことを論理的に考えることは出来ない。思考をつかさどる大脳辺縁系に合理的に考えるための神経パターンがないからだ。ほとんどの人は考える訓練をしたことがない。学校ではひたすら教科書を疑問を抱くことなく暗記する。暗記だけの訓練が12年間、長いと16年から18年も続く。学歴が高いほど、合理的に考えることができなくなる。これは脳機能の成長の結果だ。

科学的であることは、若いときに考える訓練を積んで、デカルトの方法論を実践する先にある。思い立ってすぐにできるというわけにはいかない。

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人間が作ったものをどのように壊すことができるかを合理的に考察するのが破壊学です。現代科学にターゲット絞って考えています。 〞電気的地球科学』には、さらにくわしい解説があります。 このブログに書いてある内容を引用する場合は、出所を昞記してください。
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物理学を根本から考え直したBernard Burchell博士のオルタナティブフィジックスです。
科学史から見た量子力学の間違いには量子力学はどこで間違ったのかが考察されています。 アンドリュー・ホール氏のデイリープラズマでは山がどのようにしてできたかを詳細に考察しています。 日本人による相対性理論への疑問、現代科学のおかしな点をエッセイ風にまとめたページ。 物理の旅の道すがらはロシアの科学エッセイを日本語で読めます。

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