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10年位前に書いた短文です。書いていたサイトがなくなってしまったので、再掲してみます。
ヒトがほかの動物と大きく異なる点に体脂肪率の多いことが上げられる。たとえばヒトに近いチンパンジーを見ると腕や足は筋肉がついているだけで、ほっそりとしている。ヒトはかなりやせないとチンパンジーのように筋肉だけの身体にはならない。
体脂肪率が高いのは、脳を大きくさせるためだといわれている。脳はそのほとんどが脂肪でできている。人が脳を大きくできたのは、肉食を恒常的に行えるようになったからで、それは狩猟採集において技術的な飛躍があったからだ。道具の発達が肉食を保証してくれることになり、肉食の効果は脳に至り、知能の発達を促した。どちらが先に起こったかはわからないが、ヒトは結果的に現在の巨大な脳を獲得することに至った。約5万年前だ。
脳が大きくなったといえ、意識が現代人と同じになったわけではない。意識の発達にはさまざまな要因が重なる。言葉、文化、技術などが意識との相互作用を行いながら、互いに複雑さを増していったことが想像できる。意識の発達は、記憶が重要な役割を果たすわけだが、記憶は脳の内部だけにとどまらず、言葉を通じて外部にも及ぶ。
意識の発達は地理的要因にも左右されている。鉄鉱石と石炭の存在が早くから中国に製鉄技術をもたらしたように、サトウキビの分布は、文明の発達に大きな影響を与えている。脳が活動するために必要とする栄養はブドウ糖である。体内ではでんぷんを分解することでブドウ糖を得るのだが、手っ取り早いのは、外部から摂取することだ。
サトウキビは約8千年前にインドネシアで栽培化された。これがインドを経由して中近東に伝播する。4世紀になるとアレキサンダー大王がサトウキビを発見する。中国では漢の時代からサトウキビ栽培が行われていたが、唐になると本格的に砂糖の生産がはじまる。しかしヒトが大量の砂糖を摂取できるようになったのは15世紀以降で、地中海で生産していたサトウキビがアメリカ大陸に栽培されるようになってからだ。
モノや技術は歴史として多くのことが残る。しかし人間の意識は、テキスト、事柄を読み解くことでしか、その変化を知ることはできない。そこでよく知られた問題点をあげ、意識と砂糖のかかわりを考えてみることにする。
近代科学は西洋で発達した。近代科学と技術は渾然一体となって現在の西欧優勢の社会を生み出したわけだが、なぜ近代科学が西欧で最初に発達したかは、科学史における一大テーマとなっている。ひとつの回答として、西欧社会でのキリスト教の役割があげられる。一神教の世界観が近代化科学を生み出した。中国、イスラム圏では多神教の影響で近代科学を発展させることができなかったというのが、一応の答えになっている。
しかし、一神教と多神教の対比には多くの異論もあげられている。イスラム社会も中国も、かなりいい線まで科学を発達させたという歴史を持っているからだ。「いい線」というのが微妙なところだが、西欧社会に先駆けて科学を発展させたのは事実だ。それが、近代産業の発達に結びつかなかったという点に、歴史上の大きな差がある。
イギリスを例にあげると、17、8世紀に科学革命が進行中のことを調べてみると面白い事実がある。イギリスの科学者は当時流行していたカフェに集まり、議論を重ねた。カフェで好んで飲まれた飲み物は、砂糖をたっぷりと入れた紅茶だった。科学者ばかりではない。カフェからは多くの文学も生まれたし、経済の分野では保険業、証券業が生まれている。イギリスでは16世紀ごろから砂糖の消費量が拡大、18世紀には労働者階級も大量の砂糖を摂取するに至った。中国、イスラムの科学はごく一部の科学者が知識を占有するにとどまったが、イギリスでは文学などを通じて広く市民が科学知識を共有することになった。
中国、イスラム社会でも砂糖は消費されていたが、西欧社会では地中海周辺で生産された砂糖が新大陸で生産されるようになると大量に輸入され、文字通り社会の隅々まで砂糖が行き渡るのである。19世紀のイギリスでは下層労働者の朝食に安価な砂糖シロップが出されていた。日本では砂糖が高価な嗜好品から一般的な食品になるのは、昭和30年代後半である。中国では現在も砂糖の供給が少なく、人口甘味料が使われている。
日本で砂糖が消費されるようになったのは、南蛮貿易によりもたらされたのがきっかけだった。当初はたいへんな貴重品だったものが、次第に輸入量は増えていき、江戸中期にはなんとか庶民の口に入るまで普及した。出島での貿易に占める砂糖の量は相当な割合だったらしい。
輸入に頼っていた砂糖は、江戸後期になるとサトウキビが国内で栽培されるようになり、急速に価格が下がっていく。サトウキビの栽培は西南諸国、とくに薩摩藩が多かった。坂本竜馬はいつもコンペイトウを持ち歩いていたと伝えられるが、下級武士が容易に買えるほど価格は下がっていた。西郷隆盛の好物は、甘いたれにつけて焼いたウナギだった。
明治維新を考えると不思議な現象に気がつく。度重なる飢饉が頻発していたのは主に東北地方だったから、当時の幕藩体制に不満をもっていたのも東北と思われるが、逆に東北の各藩は幕府を擁護するほうに回る。幕府に不満を持ったのは裕福な西南諸藩だった。
フランス革命以前、フランスでは砂糖菓子の大流行があった。フランス革命に先駆けて、イギリスで起こったピューリタン革命でもイギリス国内では砂糖の大量消費が行われていた。19世紀にビートから砂糖を精製する技術がドイツで開発される。サトウキビの採れない寒冷地でも砂糖生産が可能になる。それと呼応するようにロシア革命が起きる。残念ながらロシア革命と砂糖消費の関連を示す資料はまだ入手できていない。
このように近代に起きた重要な歴史の背景には砂糖があったのだ。
SF乱学講座で電気的宇宙論の話をします。
タイトル「からっぽな太陽」
電気的宇宙論で見る太陽と太陽系の話をします。このブログでは断片的な説明しかしていませんが、太陽を中心にして、電気的宇宙論、電気的地球科学の全体像を説明したいと思っています。お近くの方は、ぜひおいでください。
開催日時:2018年3月4日 日曜日 午後6時15分~8時15 分会場:高井戸地域区民センター(地図)第四集会室 (京王井の頭線「高井戸」駅下車) 参加費:千円
チバニアンとかいう地磁気の逆転層があるらしい。地球磁場が逆転していると主張したのは日本人研究者、松山基範だった。地層にわずかに残る磁気を検出したところ、深さにより磁気の方向が違うことが発見された。古地磁気学の誕生だ。後に、大西洋の中央海嶺では表層の岩石が海嶺を中心線に対称に磁気の向きが反転していることが発見された。
wikipediaより
このことを理由に海嶺からは一定間隔で岩石の板が湧き出していて、東西に広がっていると考えられている。プレートテクトニクスの証拠となった。
しかし、この地球磁場の逆転を記録する岩石については誤解がある。岩石の磁場は中に含まれる酸化鉄に由来する。酸化鉄は強磁性体だ。外部から与えられた磁場により磁化される。工学の世界では、磁化された磁石は減磁という現象で、時間がたつと少しずつ磁気が減っていく。減磁はあらゆる磁石で起きる。仮に1年で0.1%減磁すると1000年で36%、1万年で0.005%に減少してしまう。
岩石が溶岩から固まるとき、地球磁場により磁化されるのは、キュリー温度以下になったときだ。その磁気は非常に弱い。1万年で0.005%に減ってしまうなら、ほとんど検知できなくなる。また、磁場の方向が変われば、再び、変化した磁場により磁化される。最初の磁気が何万年も残る根拠はないのだ。
ところで、地球磁場は、地球の中心にあるコアが作っていると考えられている。外核は金属が液体状で対流していて、電流が流れている。電流の由来は不明だが、磁場を作っているらしい。ダイナモ説だ。ダイナモ説も根拠がなく、コンピューターのシミュレーションで研究されているだけだ。
電気的地球科学では、地球磁場は地下275km付近に存在する大量の電子が自転により回転することで発生していると予想している。シューマン共振の周波数7.83Hzがその根拠だ。電子による静電モーターが自転のきっかけとなっているが、太平洋火山帯のマグマの帯がファラデーモーターを形成して、自転速度を速めている。火星も自転周期は地球とほぼ同じだ。おそらく磁気の偏りが大きいため、ファラデーモーターとなる電流の流れがあるのだと考えられる。
地球磁場の発生が電子の自転によるものであるということは、自転方向が変わらない限り、磁場の向きも変わらない。最初にあげた岩石に残った磁気の向きは、地殻に流れる電流によるものだろう。地表の岩石に雷が落ちても岩石には磁気が残る。地震、放電による電流が岩石に磁気を与える。チバニアンも海嶺周辺の磁気も、地球の電磁気活動による痕跡なのだ。
銅線に電流を流したとき、周囲には同心円状に磁界が生まれる。では電界はどうなるか、という話だった。銅線内の電子の動きを考えてみよう。電圧をかけた銅線には、片側にプラスの電界が生じる。電子はプラスに引かれて、電極側に引かれる。最初の電子がプラスに引かれて動くと、その後にマイナス側の電子が後を埋めるように動いてくる。数珠繋ぎに電子がプラス側に移動するが、その動きは秒速数センチだ。しかし数珠繋ぎになった電子によって、電界は瞬時にーおそらく光速度で伝わる。
あれっ? 磁界を持ち出すことなく電流の流れが説明できてしまった。磁界は1個1個の電子が金属結晶内をぶつかりながら移動することで生じる、と前回書いた。電子の移動の結果、磁界が作られるが、電子の動き自体に磁界が果たしている役割は、この説明からは出てこない。
ちなみに超伝導状態では、電子は常伝導から超伝導に変わる境界で移動に抵抗がなくなるので、電界により高速度に加速され、強力な磁界が発生する。
しかし、どこを調べても磁界から電界が生じる証拠は出てこない。ファラデーの電磁誘導は、銅線内部の電子が磁界によって動く現象だ。何もない場所から電界だけが飛び出してくるわけではない。
電波は空気、星間物質が伝えると書いた。そこでは、電界による衝撃を粒子が受けると、反対方向に電界を放出すると考えられる。こんな具合だ。
これはISSでの実験。水玉に衝撃を与えると反対側に抜けると言うもの。これと同じことが電界と粒子で起きている。
粒子と粒子の間は、遠隔作用により電界が伝わる。電界を受け止めた荷電粒子は磁界を発生させる。しかしその磁界は周囲の粒子に影響を与えることはあっても、電界そのものを発生させることはない。
電界→磁界
磁界→×電界
不可逆的関係だと言える。
したがって、粒子の密度が低い場所では、電磁波の速度が速くなることが予想される。粒子と粒子の間は遠隔作用として電界が伝わるからだ。遠隔作用の伝播速度は光の速度の数百万倍になるという説もある。光の速度は普遍ではないのだ。
また、マイケルソン・モーリーの実験で地球の移動に対して直行する光の速度に違いが見られなかったのは、空気分子が音速以上の速度で動いているために、地球の自転が動く粒子の伝播により、現れなかったのではないか。じじつ、同じ方式をとっているリングレーザージャイロでは、地球の自転を感知できる。リングレーザージャイロは光ファイバーを使用しているため、ファイバーの動かない原子が電界を伝播するので、自転による速度の違いが現れるのだと考えられる。
電磁波の伝播が空気分子、星間物質による電界の玉突き現象だとすると、新たな疑問が浮かんでくる。超強力な電界を発生させれば、光速を超えることができるのではないか? やりたいけど、実験装置に金がかかりそうだ。
非常に興味深い記事を見つけた。
要約すると、ニュートンの重力定数Gは過去40年間に12回測定されているが、測定値は一定ではなく、5.9年ごとの地球の自転速度の周期に関連している、というものだ。重力定数は現在でもキャベンディッシュの実験とほぼ同じ方法で測定されている。
電気的地球科学では、キャベンディッシュの実験が地球磁場に影響された反磁性体の鉛が引き合っている、と間違いを指摘してきた。地球磁場は、地殻の下に存在する大量の電子が自転で回転することで生じている。つまり磁場の強さは自転速度に比例している。
この記事は、筆者の指摘が正しいことを裏付けているのだ。
質量は重力を生まない。したがって、地球内部には空洞があって、マントルは膨張を続けている。