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自分が科学的であると自覚している人でも、科学とは何かを徹底的に考えた人は少ない。筆者は科学史と科学哲学を図書館で読んだ程度で、ポパーの反証可能性とクーンの科学革命くらいしか知らなかった。1970年代にニューサイエンスブームがアメリカからやってきた。ちょうどこのころは、プレートテクトニクス、ビッグバン理論が日本に紹介された時期でもあった。日本人研究者がビッグバンを補完するインフレーションを主張したことを雑誌で読んだ記憶がある。新しい理論、考え方が大量に入ってきた時代だ。
これら新理論の背景には、観測装置、機器の開発による新発見が大量にあった。海底掘削により、海底の構造が明らかになるとプレート移動の根拠が補強された。電波天文学による中性子星の発見、宇宙背景放射の精密測定などがビッグバンを強固にした。
しかし、プレートテクトニクスには地球膨張論、ビッグバンには定常宇宙論が対抗としてあった。定常宇宙論を主張する日本人研究者がいなかったせいか、ビッグバンは比較的すんなりと日本に受け入れられた。プレートテクトニクスは、岩石学の権威が地球膨張論を主張していたため、すんなりとはいかなかったようだ。当時を思い出すとNHKによるプレートテクトニクスの紹介番組や山のように書籍が出たことを覚えている。科学雑誌にも盛んに紹介された。プレートテクトニクスは、学会ではなく一般大衆という外堀から攻められた。その後、地震研究はプレートテクトニクス以外には予算がつかない状態に成ったらしい。
新しい理論は、従来の理論より優れているから普及するといわれるが、このような70年代に起きた事情を知っている者から見れば、明らかに間違っているといえる。かなり科学以外の意図が作用している。研究費という政治的理由がそこには見え隠れする。プレートテクトニクスの導入には、地震予算の誘致があった。
ビッグバンにも同じ事情がある。現在のJAXAの前身である宇宙開発事業団は技術供与などでNASAと提携をしていた。当時のアメリカは、1950年代から続いたヴェリコフスキーとの議論で、かたくなに定常宇宙論、プラズマ宇宙論を否定していた。日本の研究者はビッグバン宇宙論を受け入れざるを得なかった。余談になるが、NASA、JAXAの異説を排除する姿勢には、宗教的信仰を感じるほどだ。
前振りが長くなったが、この半世紀の間、科学では何が科学かと言う哲学的議論がほとんどないことがわかってもらえたと思う。とくに1990年代、チェルノブイリ事故以降、日本では科学雑誌が激減して、いわゆるポピュラーサイエンスが終焉した。プレートテクトニクス、ビッグバン理論、学校で教える科学以外をすべて排除する仕組みが出来上がった。STAP細胞の騒動などは、すべてこの排除システムが順当に機能した結果だ。
科学的とは何か? すでにデカルトが明確に指摘している。デカルトは機械的世界観を主張した。機械時計のように自然は部品が組み合わさって動いている。自然を部品に分解して理解するのが還元主義とも呼ばれる、デカルトの機械的自然観だ。しかしこの見方はデカルトの主張の半分しか表していない。自然を物と物で説明することは、物を操作すれば自然を操作できる、これがデカルトの主張の本当の意味なのだ。
デカルトは近接作用で自然を説明することを主張した。近接作用は物と物が直接接することで働く。ニュートンの万有引力は、近接作用に反する、遠隔作用だった。また、当時の天文家が抱いていた惑星間に働く斥力を無視していた。ガリレオ、ケプラーなどは、天空をふらふらと惑う星同士がなぜぶつからないかを考えていた。引力だけでは、やがて宇宙はひとつの固まりになるとカントは万有引力を批判した。
地上と宇宙空間に働く引力が同じ力であると証明されたことは一度もない。引力は物の量に比例するとプリンキピアには書かれていたが、誰も実験で証明できなかった。1世紀後に行われたキャベンディッシュの実験は、鉛が反磁性体であることをファラデーが発見して、否定された(はずだった)。そんなことを知らない実験しない科学者、アインシュタインは万有引力を、数学上の概念である空間を使って、証明してしまった。空間は物ではない。空間を操作することは不可能なので、引力は制御できない力になった。
合理的、論理的に考えることは非常に難しい。たとえばスポーツは何度も基本的な動作を繰り返すことで、次第に複雑な動きを習得していく。小脳には体を動かすための経験が神経パターンとして蓄積される。考えることも同じだ。単純な論理を組み合わせて複雑な論理を組み立てるが、その段階は経験によって練習が必要だ。いきなり、複雑なことを論理的に考えることは出来ない。思考をつかさどる大脳辺縁系に合理的に考えるための神経パターンがないからだ。ほとんどの人は考える訓練をしたことがない。学校ではひたすら教科書を疑問を抱くことなく暗記する。暗記だけの訓練が12年間、長いと16年から18年も続く。学歴が高いほど、合理的に考えることができなくなる。これは脳機能の成長の結果だ。
科学的であることは、若いときに考える訓練を積んで、デカルトの方法論を実践する先にある。思い立ってすぐにできるというわけにはいかない。
ロシア人が反重力装置の開発に成功したようだ。
動画だけで、真贋を判断するのは難しいが、製作者のほかの動画を見ると、その原理や構造が詳しく説明されている。
反重力の原理は、昆虫学者グレベニコフの反重力プラットホームと同じだと主張している。グレベニコフの反重力プラットホームは数年前から知られるようになった。彼は昆虫がなぜ飛ぶのかを調べていくと、羽の微細構造に注目した。昆虫の羽根は、電子を大量に蓄えることが出来るというのだ。電子を蓄える誘電率の高い物質にはロッシェル塩やチタン酸バリウムがある。昆虫の羽はこれらの誘電体よりもはるかに多くの電子を蓄えることが出来るという。
地表がマイナスの電荷を持つことは電気的地球科学でも指摘してきた。マイナスの電荷を大量にためれば、地表との間に反発力が働くはずだ。でもこれだけで、ふわふわと浮くことが出来るだろうか? 地表の重力はEMドライブと同じ原理の電磁質量だ。地表との反発力だけでは、シューマン共振による引力を振りほどくことは出来ないはずだ。
そこで、この反重力装置の構造をよく見ていくと面白いことに気がついた。回転する上下のアルミ円板の下側に磁石が取り付けてある。真ん中に高電圧を加えた円板がある。回転する円板にも電圧がかけてある。これは真ん中の円板にかかる電荷を下側の磁石が回転しながらさえぎることで、擬似的なシューマン共振、ELFを発生させているのではないか? 昆虫の羽根も電子を大量に蓄えた羽を細かく振動させている。電荷が変化しているのはELFの特徴だ。
筆者は、地球の重力がシューマン共振による電磁質量であると推測してから、なんとかしてシューマン共振を発生させるか、遮蔽できないかと考えてきた。ロシア人の反重力装置では、ELFが発生していると考えられる。
これ、本物か!
陽子を炭素原子に衝突させるとパイ中間子が発生して、ミュー粒子を経て、電子に変わる。
パイ中間子→ミュー粒子+ミューニュートリノ→陽電子+ミューニュートリノ+電子ニュートリノ
電荷の正負を抜いてあるが、パイ中間子、ミュー粒子と電子が同じ粒子であることがわかる。違いは電荷だ。
パイ中間子 139.5MeV/C^2
ミュー粒子 105MeV/C^2
電子 0.51MeV/C^2
ミューニュートリノ 0.17MeV/C^2
電子ニュートリノ 2.5eV/C^2
これを基にして最初の反応を見ると
π→μ+νμ→e+ +νμ+νe
139MeV → 105MeV + 0.17MeV → 0.51MeV + 2.5eV
エネルギーの収支が合ってないが、おそらくミュー粒子、電子を加速するエネルギーで失われているのだろう。
ところで、電子はそのエネルギーを飛び飛びの状態で持つのだろうか? 量子力学は量子跳躍、quantum leapを採用している。しかし電圧が電子の大きさらしいということを予想した。電圧は連続している。数学的に連続かどうかは不明だが。すると、電子の状態も連続した状態を取ることが予想される。原子核内部の中間子、電子も大きさがそろっているわけではなく、ばらばらの可能性が高い。陽子についても同じことがいえると思う。実験では、陽子1個、電子1個を計測することが極めて難しいので、どうしても統計的な数字になってしまう。陽子、電子のエネルギーは各々がばらばらだと予想できる。ただ、軌道上にあるか、原子核内部にあるかで、大きくエネルギーを変えるのだと思われる。
たとえば、ビッグバンで宇宙が生まれたとき、物質と反物質が同じ量発生したはずで、現在観測される物質だけの宇宙では、対象性が壊れている、という。CP対称性の破れともいうらしい。Cは物質、反物質、Pはパリティで数学的な座標変換のことだ。要約すれば、数式では宇宙は対称になっているはずだ、なぜ自然は数式のとおりにならない? ということだ。
でも、これはもともとがおかしい。

CP対称性はベータ崩壊では破れていることが知られている。1957年にアメリカの中国系物理学者、呉健雄が実験で確かめた。低温にしたコバルト60に磁場をかけ、ベータ崩壊で生じる電子の方向を観測したのだ。パリティが対称なら、ベータ崩壊で出てくる電子は、方向が対称になるはずだ。ところが呉健雄の実験では、わずかに対称性が崩れていることがわかった。
コバルト60は安定同位体のコバルト59に中性子を照射して作られる。コバルト60はベータ崩壊してニッケル60に変化する。
Co60 -> Ni60 + e + γ
このとき、放出される電子は0.318 MeV、ガンマ線は1.17 MeVと1.33 MeVの2種類だ。wikiにはニュートリノが書いていないが、ニュートリノも放出されているはずだ。SEAMではベータ崩壊はニュートリノの入射により結合電子=中間子がはじき出される現象だからだ。

その前のコバルト59に中性子が放射されコバルト60になる過程を考えてみる。

コバルト59に中性子をぶつけると、中性子が持っていた電子と陽子同士が衝突で生じた電子(陽電子は出て行く)が結合のために使われる。このとき、元からある電子と衝突で生まれた電子のエネルギーが異なるのだ。これはあとでからコバルト60のベータ崩壊に続くγ崩壊での2種類のガンマ線の違いになる。
呉健雄の実験ではコバルト60を低温にして磁場をかけた。これは原子の振動を抑え、原子核の向きをそろえたことになる。そこで起きるニュートリノの入射によるベータ崩壊は、結合した2個の電子のどちらかをはじき出す。はじき出される方向は、原子核の向きがそろえられているため、2つに分かれるが、結合している電子のエネルギーが異なるため、はじき出される電子の数が違ってくる。
つまり、呉健雄の実験はCP対称性を見たのではなく、原子核の結合状態を調べたことになる。CP対称性とは無関係なのだ。むしろ、対称性という概念自体が原子にはないのだ。強い相互作用と電磁相互作用にはCP対称性があるというが、磁界と電界の関係を見ても対称ではないことがわかる。
以前にも書いたが、数学の概念で自然を見ることは、19世紀に流行していたピグマリオン症だ。自然にはもともと対称性はないのだ。
時間は連続か、は、電磁波は連続して伝わっているか、と等価です。なぜなら、マクロな現象から原子内部の現象まで、すべてが電磁気現象だからです。
電磁波の伝播は、一般には空間を媒介とすると考えられているので、数学的な空間に連続性があるかどうかの問題になります。しかし、数学的空間は実在しません。電磁波は周囲に漂っている空気分子、星間物質を媒介として伝わります。すると粒子と粒子の間は、遠隔作用で一瞬で伝わります。遠隔作用で伝わる間隔が時間の間隔といえます。
もっとも短い電磁波の伝播は原子内部で起きています。原子内部では原子核とs殻の距離が最も短い間隔です。この距離を遠隔作用で伝わる間隔が、時間の間隔ということになるでしょう。
天文学者のフランドンによれば、遠隔作用の速度は光速の2x10^10倍です。つまり、3x10^8(m/s)x2x10^10=6x10^18m/sです。1s殻の距離は約10pmなので、10x10^-12m、したがって、
10x10^-12/6x10^18 = 1.7x10^-30s
ちなみにプランク時間は
5.4x10^-44s
時間の間隔は、いずれにしても相当短いと考えられます。