重力波を検出した研究者がノーベル賞をもらい、なんだか重力波は確実にあるかのような雰囲気が漂っている。しかし、アマチュア無線家の目から見ると、重力波の検出は完全な誤解だ。なぜなら、LIGOのレーザー検出部は、同じレーザーを使って電波を検出するデテクタと同じ原理だからだ。
http://www.nbi.ku.dk/english/news/news14/ultra-sensitive-detection-of-radio-waves-with-lasers/
ほとんどの人は、電波はアンテナから電気信号として入ってくるものだと思っているだろう。しかし、ドイツのニールスボーア研究所が開発しているレーザーデテクタは、電波信号を振動として捉えるものだ。
通常の受信機では、電波を一度電気信号にして半導体で増幅、検波する。ところがレーザーデテクタは、電波が金属箔を振動させる現象をそのまま振動として検出する。
コンデンサに導かれた電波信号が、コンデンサの金属箔を振動させる。金属箔にレーザーを当てて、それを参照光と比較することで、非常に感度良く信号を拾うことが可能になる。
この仕組みは、重力波を捉えるためのLIGOの装置とほぼ同じだ。LIGOの場合は、電波を遮蔽するために地下に検出するためのアームを置いている。また解説には書いていないが、接地(アース)も施しているだろう。電磁波の影響を避けるためだ。
ところが、LIGOが検出しようとしている100Hz付近の電磁波はSLFと呼ばれ、数十ヘルツから数キロヘルツの極長長波だ。SLFは、遮蔽が非常に困難な波長であることが知られている。SLFより上のVLFは水中でも伝わるので、潜水艦の通信に使われている。またアマチュア無線家の研究では地中も伝搬することがわかっている。地殻からのSLFを受信して地震を予知する試みもある。
つまり、100Hz付近の電波は、遮蔽できないし、直接物体に振動を与える。LIGOのながーい4kmのアームは、感度の悪いアンテナなのだ。2ヶ所で同じ波形を観測できたのは電磁波だから。
同じことは日本のKAGRAにもいえる。誰か教えてやってくれ!
追記(20171030)
「神岡におけるシューマン共振の測定」を見ると、やはりELFの影響を調べているが、アーム自体がELF、SLFの振動を受けるとは考えていないようだ。シューマン共振だけフィルタしても、地震の放電による電波はフィルタ出来ないと思う。
追記2(20171031)
すでに1年前に重力波がSLFであるという指摘があった。CQ ham radio 2016年5月号、さすがハム! 科学への貢献は大きい。