金星といえば、90気圧、400度の大気が時速400kmで吹きまくる地獄のような環境を持つ惑星だ。とても生物がすむことはできない。しかしある条件を加えると、地球とほとんど同じ環境になることがわかった。
ヴェリコフスキーによれば金星は3500年前に木星から生まれた若い星だ。現在の軌道に至る途中、地球と火星に放電の挨拶をしていった。金星もほかの惑星と同様、現在急激に膨張している。すでに地球とほぼ同じ大きさに膨れ上がった。
しかし系外惑星の観測が進んでわかったのは、地球より大きな岩石惑星は珍しくないということだ。金星大気の量を計ると、現在の直径が2倍になるとちょうど地球と同じ大気圧になる。400度の高温は90気圧の高圧に由来しているので、大気圧が1気圧になれば、気温も地球と同じになる。海の水は地表奥深くに存在するカンラン石が相転移することで生まれてくる。二酸化炭素もカンラン石から発生した。
金星の大気は二酸化炭素だが、これもミュオン触媒核融合が進めば酸素と窒素に転換される。
2CO2 + 2u(-) -> 2N2 + O2
問題は自転と磁場だ。地球の自転は太平洋火山帯のマグマをコアとしたファラデーモーターが動力源だ。磁場は地殻の奥深くに存在する大量の電子が自転により角加速度を得ているために生じる。
金星にはまだ海がなく、火山帯もない。もし惑星のデザイナーがいたとして、金星を生物の住める環境に手直しすることができるとすれば、金星に対して、地球の月程度の衛星を派遣して、放電を加えるはずだ。計画的な放電は、地殻内部に大電流を流すことでマグマを発生させることができる。金星の北極から南極へ、ぐるりと1周放電すれば、マグマの帯が金星を取り巻き、ファラデーモーターのコアができる。おそらく地球もそうやって改造された。
地球の膨張はすでにピークを過ぎたようだ。カンラン石の相転移は今後も続くが、過剰な電子が地球内部で大きな反発力を持つことが予想される。遠心力と電子の反発力が引力による押さえ付けを超えると、地球はばらばらに崩壊する。現在の小惑星帯にあった惑星もそうやって崩壊した。
いつまで地球が現在の状態を維持できるかは不明だ。しかし太陽が膨張して地球を飲み込むまで、という幻想は捨てたほうがいい。過去、太陽は2回交代している。木星と土星はかつて、この惑星系の中心だった。それほど昔のことではないようだ。
purple dawn saturn
人類に残された時間はそれほど長くはないのかもしれない。かつて小惑星帯にあった惑星、フェイトンの住民は惑星崩壊に気がつき、なんとか移住に成功したらしい。移住先は、ここ、地球だった。