高気圧といえば、天気のよい日が多い。大気の流れを見ると、上空の大気が吹き降ろすために気圧が高くなっていると説明される。しかしいっぽうで、太陽の光で暖められた空気が上昇して、雲ができるとも説明される。上昇気流があるのは低気圧だ。気象学はなぜか矛盾の多い学問だ。
気体には遠心力が働かない、と以前書いた。気体を閉じ込めた箱をぶん回しても、気体分子の速度のほうがはるかに速いからだ。エドヴェシュの実験は重力質量と慣性質量の等価性を示した。遠心力は慣性質量だ。エドヴェシュの実験の可否は置いておくとして、遠心力が働かなければ、等価原理によって重力も働かないことになる。
以上は「気体には遠心力が働かない」で説明したとおりだ。大気圧は、大気電圧の電位差によって生じている。すると、高気圧、低気圧の発生も、温度による大気の膨張ではなく、電位差の変化によって生まれると考えられる。
電離層の電子密度を見ると、極付近から赤道付近にかけて、密度が上昇していることがわかる。電離層はプロトンがたまっているため、プラスが優勢だ。電子密度が高いということは、電離層のプラスが抑えられるので、電位差が低めになるということだ。極付近での電位差が高く、赤道付近では低くなる。
赤道には低気圧帯があり、極には高気圧帯がある。中緯度にも高気圧帯があるが、この理由はべつにある。続く