電波、電磁波は空中を飛んで非常に遠くに信号を届けることができる。1833年にガウス、ウェーバーが電信装置を発明したのが最初だ。ファラデーとマクスウェルが電磁誘導の仕組みを解明して、電磁波が飛ぶ原理を示したのが20年位後だ。
現在、電磁波が空中を飛ぶイメージには2種類ある。電磁波は電界と磁界が交互に生じることで空間を進むと考えられている。ファラデーは、電界の変化が磁界を生み、磁界の変化が電界を生む、この繰り返しで電磁波は空間を進むのだとイメージしていたらしい。それを方程式に直したのはマクスウェルだった。
現在、物理学、電子工学で教科書に載っているのは上の図Aになる。しかしファラデーは以下のように電磁波をイメージしていた。
この図では、銅線の中に生じた電界の変化が、銅線の外側に磁界を生み出し、それが電界を生むという仕組みを書いている。したがって、電界と磁界は90度位相がずれているBの図になるのだ。
なぜ、主流科学では上の図A、つまり電界と磁界を同相にしているのだろうか? 筆者には本当の理由はわからないが少し予想してみた。一番上の図Aでは、電界と磁界が同時にゼロになる瞬間が生じている。ファラデーは電界、磁界を近接作用と考えていた。したがって、Aのように同時にゼロになると、そこで電波は止まってしまう。遠隔作用であれば、電界が生じると同時に磁界が生じる。両方がゼロになっても空間がエネルギーと指向性を持つので、電界と磁界が立ち上がってくる。
これ、ビッグバンの真空の相転移と同じじゃないだろうか? ビッグバン宇宙論では、宇宙の始まりを真空の相転移として、空間から湧き上がるエネルギーを認めている。電磁波の理解は、実際に電波を扱った経験ではなく、マクスウェルの電磁方程式から導き出している。つまり、ファラデーからマクスウェルになって数式化され、さらに相対性理論を経て、現在の電磁波の理解に至った、というのが一番上の図Aで説明されている理由のようだ。(矛盾もある。アインシュタインは近接作用を採用したはず)
ところで筆者はアマチュア無線家で、何本もファイナルを飛ばした経験を持つ。電子がプレートにぶつかると電波になることを経験として学んだ。アマチュア無線、ハムの使うアンテナに、マグネチック・ループアンテナがある。
マグネチック・ループアンテナは、磁界アンテナともいうように、磁界を発生させて電波を飛ばすアンテナだ。コンパクトながら、ノイズに強くよく飛ぶとハムから人気がある。この図をみればわかるが、マグネチック・ループアンテナは、シールドで囲まれているのが特徴だ。つまり、磁界しか周囲に放射しない。内部の銅線で電界が生じたとしても、外側にあるアルミのシールドによって遮蔽されている。最初に空間に放出されるのは、磁界だけで、空間に出た後に電界が生じる。
もし、電波が電界と磁界が同相で伝播しているとしたら、マグネチック・ループアンテナは成立しないことになる。
追記:これを書いた後、電磁波は空間を媒介して飛ぶのではなく、空気分子、星間物質を媒介すると思いついた。