銅線に電流を流したとき、周囲には同心円状に磁界が生まれる。では電界はどうなるか、という話だった。銅線内の電子の動きを考えてみよう。電圧をかけた銅線には、片側にプラスの電界が生じる。電子はプラスに引かれて、電極側に引かれる。最初の電子がプラスに引かれて動くと、その後にマイナス側の電子が後を埋めるように動いてくる。数珠繋ぎに電子がプラス側に移動するが、その動きは秒速数センチだ。しかし数珠繋ぎになった電子によって、電界は瞬時にーおそらく光速度で伝わる。
あれっ? 磁界を持ち出すことなく電流の流れが説明できてしまった。磁界は1個1個の電子が金属結晶内をぶつかりながら移動することで生じる、と前回書いた。電子の移動の結果、磁界が作られるが、電子の動き自体に磁界が果たしている役割は、この説明からは出てこない。
ちなみに超伝導状態では、電子は常伝導から超伝導に変わる境界で移動に抵抗がなくなるので、電界により高速度に加速され、強力な磁界が発生する。
しかし、どこを調べても磁界から電界が生じる証拠は出てこない。ファラデーの電磁誘導は、銅線内部の電子が磁界によって動く現象だ。何もない場所から電界だけが飛び出してくるわけではない。
電波は空気、星間物質が伝えると書いた。そこでは、電界による衝撃を粒子が受けると、反対方向に電界を放出すると考えられる。こんな具合だ。
これはISSでの実験。水玉に衝撃を与えると反対側に抜けると言うもの。これと同じことが電界と粒子で起きている。
粒子と粒子の間は、遠隔作用により電界が伝わる。電界を受け止めた荷電粒子は磁界を発生させる。しかしその磁界は周囲の粒子に影響を与えることはあっても、電界そのものを発生させることはない。
電界→磁界
磁界→×電界
不可逆的関係だと言える。
したがって、粒子の密度が低い場所では、電磁波の速度が速くなることが予想される。粒子と粒子の間は遠隔作用として電界が伝わるからだ。遠隔作用の伝播速度は光の速度の数百万倍になるという説もある。光の速度は普遍ではないのだ。
また、マイケルソン・モーリーの実験で地球の移動に対して直行する光の速度に違いが見られなかったのは、空気分子が音速以上の速度で動いているために、地球の自転が動く粒子の伝播により、現れなかったのではないか。じじつ、同じ方式をとっているリングレーザージャイロでは、地球の自転を感知できる。リングレーザージャイロは光ファイバーを使用しているため、ファイバーの動かない原子が電界を伝播するので、自転による速度の違いが現れるのだと考えられる。
電磁波の伝播が空気分子、星間物質による電界の玉突き現象だとすると、新たな疑問が浮かんでくる。超強力な電界を発生させれば、光速を超えることができるのではないか? やりたいけど、実験装置に金がかかりそうだ。