チバニアンとかいう地磁気の逆転層があるらしい。地球磁場が逆転していると主張したのは日本人研究者、松山基範だった。地層にわずかに残る磁気を検出したところ、深さにより磁気の方向が違うことが発見された。古地磁気学の誕生だ。後に、大西洋の中央海嶺では表層の岩石が海嶺を中心線に対称に磁気の向きが反転していることが発見された。
wikipediaより
このことを理由に海嶺からは一定間隔で岩石の板が湧き出していて、東西に広がっていると考えられている。プレートテクトニクスの証拠となった。
しかし、この地球磁場の逆転を記録する岩石については誤解がある。岩石の磁場は中に含まれる酸化鉄に由来する。酸化鉄は強磁性体だ。外部から与えられた磁場により磁化される。工学の世界では、磁化された磁石は減磁という現象で、時間がたつと少しずつ磁気が減っていく。減磁はあらゆる磁石で起きる。仮に1年で0.1%減磁すると1000年で36%、1万年で0.005%に減少してしまう。
岩石が溶岩から固まるとき、地球磁場により磁化されるのは、キュリー温度以下になったときだ。その磁気は非常に弱い。1万年で0.005%に減ってしまうなら、ほとんど検知できなくなる。また、磁場の方向が変われば、再び、変化した磁場により磁化される。最初の磁気が何万年も残る根拠はないのだ。
ところで、地球磁場は、地球の中心にあるコアが作っていると考えられている。外核は金属が液体状で対流していて、電流が流れている。電流の由来は不明だが、磁場を作っているらしい。ダイナモ説だ。ダイナモ説も根拠がなく、コンピューターのシミュレーションで研究されているだけだ。
電気的地球科学では、地球磁場は地下275km付近に存在する大量の電子が自転により回転することで発生していると予想している。シューマン共振の周波数7.83Hzがその根拠だ。電子による静電モーターが自転のきっかけとなっているが、太平洋火山帯のマグマの帯がファラデーモーターを形成して、自転速度を速めている。火星も自転周期は地球とほぼ同じだ。おそらく磁気の偏りが大きいため、ファラデーモーターとなる電流の流れがあるのだと考えられる。
地球磁場の発生が電子の自転によるものであるということは、自転方向が変わらない限り、磁場の向きも変わらない。最初にあげた岩石に残った磁気の向きは、地殻に流れる電流によるものだろう。地表の岩石に雷が落ちても岩石には磁気が残る。地震、放電による電流が岩石に磁気を与える。チバニアンも海嶺周辺の磁気も、地球の電磁気活動による痕跡なのだ。