自然界には4つの力があるとされる。
重力
電磁気力
核力―強い力
核力―弱い力
しかし、電気的地球科学では、次のように理解している。
重力→宇宙空間では電気引力・斥力、地球上では電磁質量を使ったシューマン共振による加速度の発生
強い力→陽子と陽子を電子が直接結びつける力*
弱い力→陽子と電子が結びつく力*
*いずれも電気引力・斥力
つまり、4つの力はすべて電磁気力ということになる。4つの力を統一するのは現代物理学の目的のひとつだが、そもそも、重力を勘違いするところから始まっている。はじめから、すべて電磁気力で説明がついた。大統一理論はなかったわけだ。
電気的地球科学では、地震のメカニズムを岩盤内部での放電としている。余震も分極状態になった岩石の圧電効果と考えている。放電を引き起こす電流は、マントルの相転移で生じる電子の湧き上がりだ。地震のメカニズムはわかったが、予知はできるのだろうか?
マントルから湧き上がってくる電子の移動は、震源の移動としてみることが出来る。深発地震を注意深く観測すれば、地震の起きる場所と時期が予測できるのではないか、と考えたことがある。しかし、深発地震がほとんどなく、いきなり10km付近で地震が起きる場合もある。熊本地震がそうだった。
また、日本列島周辺では、日本海の対岸北朝鮮とロシアの国境付近から紀伊半島にかけての線上が、深発地震の起きる場所になっている。下は2010~2017までの震源を震度ごとにプロットした図だ。
300km~400km(USGSのデータから)
100km~300km
50km~100km
上の図を見るとわかるが、徐々に深度が浅くなるにつれて、震源が紀伊半島沖合いを中心にして東に回転するように移動していることがわかる。物質の移動もあるが、電子がローレンツ力で引かれているために起きている現象だ。地球の自転に引きずられ、マントルで発生した物質の沸き上がりが東に移動していると考えられる。東北の太平洋側で地震が多発するのは、この沸き上がりの存在があるからだ。
しかし、これだけ地震が多発していると、予測することは困難だ。個々の深発地震と浅く強い地震を関連付けることが難しくなる。
ところで地震はファラデーモーターのコアになっているマグマからあふれた電流の放電だと指摘した。M6以上の地震は、地球の自転速度との関連が強い。下のグラフはIERSが毎日測定しているLOD(length of day)のグラフだ。世界標準時なので約9時間遅れであることに注意してほしい。
4/8以降が予測
LODのグラフは下になると1日の長さが短くなっている。つまり自転速度が速くなる。グラフが下向きから上向きに変化するあたりで地震が起きやすくなる。LODの周期は約2週間だ。通年での変化もある。これをうまく使えば、地震の起きそうな日を予測することが可能だろう。場所については、不明だが。
星野通平博士の著書に「地球の半径」がある。地球科学の変遷を丁寧にたどりながら、おしまいのほうで自説である地球膨張について述べられている。
「わたしは、ささやかな地球膨張論者である。上部マントルが部分的に溶けると、溶けた物質は親の岩石より密度の小さな玄武岩質マグマになって膨張し、岩石圏の割れ目を通って、地表や海底にあふれたり、表層の岩石層の下にもぐりこむ。溶ける前の母岩に比べて、それから生まれる玄武岩質マグマの体積は15%も大きい、という見積もりがある。玄武岩質マグマが冷えて固まっても、もとの母岩の体積に戻ることはない。これが地球膨張の仕組みである。」
これは岩石学の研究成果から導き出された岩石の性質だ。シリコンSiと酸素Oは、太陽系では比較的豊富な元素で、岩石の骨格を作る。もっとも稠密な結合はSiO6でスティショフ石として知られている。非常な高圧化で形成されると考えられ、地球内部では下部マントルがスティショフ石で占められている。
SiO6は、結晶構造が密になっているが、相転移でSiO4、SiO2に変化することが知られている。SiO4はカンラン石でマントルの成分だ。SiO2は花崗岩、玄武岩の主成分で、地殻を構成する岩石の大部分は、これだ。
SiO4からSiO2への相転移の一例として、蛇紋岩作用が知られている。蛇紋岩はカンラン石が水を取り込んで変質することでできると考えられている。
2Mg2SiO4+ 3H2O-> Mg3Si2O5(OH)4+ Mg(OH)2
蛇紋岩作用ではカンラン石に水が反応するとしている。しかし太陽系でもっとも豊富な物質はメタンだ。地球内部にも大量に存在する。スティショフ石がメタンと反応すると水と二酸化炭素ができる。金星、火星の大気は二酸化炭素だ。
2SiO6 + CH4 → 2SiO4 + CO2 + 2H2O
SiからOが2つ離れるが、このとき、電子が放出される。カンラン石の相転移でも電子の放出が起きる。つまり、地球内部は、巨大な電池なのだ。この電子は自転の遠心力で地殻に向かって移動する。地球内部の電子は、シューマン共振、磁場、重力の源になる。
膨張に戻ると、SiO6からSiO4->SiO2と相転移を繰り返して、元の体積の約8倍になる。じっさいにはもっと少ない膨張になるだろうが、星野通平博士の15%は非常に控えめな数字であることがわかると思う。
地球が膨張を続けて現在の大きさになったとして、元の大きさはどの程度なのだろうか? 電気的地球科学では、地球は小惑星、彗星を原料に木星内部で作られた。木星の最大の衛星はガニメデだ。半径は2630km、これが最大8倍に膨張して、内部が空洞になったと考えると、地球の固体部分の厚さは約1500kmになる。
ところで、地震は700km下で起きることがある。これ以上深い場所で地震が起きないのは、マントルがやわらかいためであると考えられている。深発地震が700kmより深い場所で起きないのは、それ以上深い場所に、何も存在しないからだと考えるのはあまりに非科学的だろうか?
アフリカ大陸のグレートリフトバレーは、マントルが上昇して、プレートが裂けている場所だとされる。マントルから岩石や泥、砂が湧き上がった痕跡が至る所に存在する。
では、拡大したプレートがどこかでマントルに沈み込んでいるはずだ。そうでなければ、地球膨張説の証拠になってしまう。しかしグレートリフトバレーの東側を見ても、海溝はない。日本列島の脇にある日本海溝は海洋プレートが大陸プレートの下にもぐりこんでいるためにできた地形とされている。グレートリフトバレーには、日本海溝に相当する沈みこみは見当たらない。
日本海溝を見ると9000mほどの深い溝が太平洋の周囲を取り巻いている。
9000m程度の深さは、地球規模で見るとそれほど極端に深い地形でないことがわかる。太平洋の平均深度は約3000m~4000mあるのだ。
ところで火星の地形を見ると、地球の海溝に相当する地形が存在しないことに気がつく。地球でも陸地にプレートの沈み込む地形は存在しない。
海溝は海水の圧力によってマグマが凹んだ地形なのだ。3000mの海水の圧力が地殻のすぐ下にあるマグマを変形させる。
海溝はマグマの存在と関係していて、その移動の痕跡は地球膨張の歴史を刻んでいると考えられる。地球の海底に海溝が存在する理由だ。
地球内部には引力による圧力が存在するから、マグマにも高い圧力がかかっている。海水の水圧では凹まない、と考えるかもしれない。しかし、「地球はなぜ丸い」で考察したように、地球内部には引力が働いていない。おそらく、地表から10km~40km位下では、引力がないため、圧力もほとんどないと考えられるのだ。このことは、地震の震源が地下10km付近に集中することとも関係している。
9日午前1時32分に鳥取県西部でM5.8の地震が起きた。震源は地下12kmと推定されている。この地震の後、数分~10数分ごとに余震が起きている。
電気的地球科学では、地震は地殻内部での放電現象であると考えている。地球の自転によるファラデーモーターのコアに流れる電流が増えると自転速度が速くなる。電流が増えるとマグマの周囲に放電が起きる。放電により、電流が減ると自転速度が遅くなる。
これはIERSによるLOD(length of day)のグラフだ。4月8日に一日の長さが短くなっていることがわかる。M7以上の地震をプロットしたが、いずれも自転速度が速い時期に起きていることがわかる。
ではなぜ、一度大きな揺れがあると小さな余震が続発するのだろうか? それは誘電体である岩石に高電圧がかかると岩石内部の分極が揃うため、圧電効果が低い電圧でも大きく現れるためだ。余震は岩石内部の分極が崩れるまで続く。
地震が地球内部の電子による放電現象であることは、電離層の状態にも影響される。電離層は太陽風の支配下にあるので、太陽活動は地震に結びつくのである。