電気的地球科学では、地震のメカニズムを岩盤内部での放電としている。余震も分極状態になった岩石の圧電効果と考えている。放電を引き起こす電流は、マントルの相転移で生じる電子の湧き上がりだ。地震のメカニズムはわかったが、予知はできるのだろうか?
マントルから湧き上がってくる電子の移動は、震源の移動としてみることが出来る。深発地震を注意深く観測すれば、地震の起きる場所と時期が予測できるのではないか、と考えたことがある。しかし、深発地震がほとんどなく、いきなり10km付近で地震が起きる場合もある。熊本地震がそうだった。
また、日本列島周辺では、日本海の対岸北朝鮮とロシアの国境付近から紀伊半島にかけての線上が、深発地震の起きる場所になっている。下は2010~2017までの震源を震度ごとにプロットした図だ。
300km~400km(USGSのデータから)
100km~300km
50km~100km
上の図を見るとわかるが、徐々に深度が浅くなるにつれて、震源が紀伊半島沖合いを中心にして東に回転するように移動していることがわかる。物質の移動もあるが、電子がローレンツ力で引かれているために起きている現象だ。地球の自転に引きずられ、マントルで発生した物質の沸き上がりが東に移動していると考えられる。東北の太平洋側で地震が多発するのは、この沸き上がりの存在があるからだ。
しかし、これだけ地震が多発していると、予測することは困難だ。個々の深発地震と浅く強い地震を関連付けることが難しくなる。
ところで地震はファラデーモーターのコアになっているマグマからあふれた電流の放電だと指摘した。M6以上の地震は、地球の自転速度との関連が強い。下のグラフはIERSが毎日測定しているLOD(length of day)のグラフだ。世界標準時なので約9時間遅れであることに注意してほしい。
4/8以降が予測
LODのグラフは下になると1日の長さが短くなっている。つまり自転速度が速くなる。グラフが下向きから上向きに変化するあたりで地震が起きやすくなる。LODの周期は約2週間だ。通年での変化もある。これをうまく使えば、地震の起きそうな日を予測することが可能だろう。場所については、不明だが。