たまに、科学以外のことを書いてみたい。昔好きだったマンガに「麻雀放浪記」がある。 阿佐田哲也原作の麻雀小説を漫画化したもので、後に映画にもなった。この中に非常に重要な教訓がある。
終戦後、まだ日本で麻雀が普及する前、麻雀教室を開くシーンがある。麻雀を知らない初心者に丁寧に麻雀のルールを教える。そこでは、「牌の山はきちんと17枚2段に積まないといけない」といい、「もし、他人が牌を手に握ったらすぐにわかる」と説明する。イカサマを防ぐために必要なことだという。じつは正確に17枚2段で積むことで、積み込みというインチキがやりやすくなるのだ。ルールを丁寧に教えることで、自分たちイカサマ師がやりやすい環境を作るのが麻雀教室の目的だった。
振り返って、現実の社会を見ると同じように社会のルールを教えてくれる学校が存在する。「うそをついてはいけない」「正直に生きるべき」「ずるはするな」「正々堂々」といったルールを教えこまれる。このようなうそをつけない人間集団は、社会を管理する側から見ると非常に御しやすい。また、「正々堂々」とした国家は周りの国家から見ると良いカモといえる。
中国の時代ドラマは史実に忠実に作られるが「孫子」を描いたドラマを見てびっくりしたことがある。孫子の兵法とは、うそをつきまくることなのだ。味方をだまして、敵をだます。「項羽と劉邦」では、大金を持った人間を敵軍に送り、内部から軍隊を弱体化させる偽計という戦略が使われる。
うそをつかない、というのは現実の社会では、時と場合による。それをどんなときでもうそがつけないように教育することは、明らかに何か意図があるといえる。日本人は教育によって、制御しやすい集団として作られ、日本国は外から支配されやすいようになっている。日本のマスコミや産業を見ると偽計が謀られているのではないかと思う。