私たちは21世紀になって、科学の世界に住んでいると思っている。しかし、身の回りにスマートホンやコンピューターが溢れかえっていても、それらを動作させている原理を知っている人は少ない。ましてや、自然のなかにある複雑で微細な現象を、根本から考えている人は、ほとんどいない。電気的地球科学は、自然を組み立てている仕組みを解明しているが、わかってきたのは、自然はめちゃくちゃ複雑だ、ということだ。20世紀までの科学は、自然の背景にある単純な原理を模索してきた。それが数学中心の物理学を生んでしまった。
相対性理論、量子力学、プレートテクトニクスが間違っていると指摘してきた。さらにおかしな間違いが多いのは気象学だ。気象学は地球科学の一分野のはずなのだが、かなり変な状況になっている。
現在の気象学では、気圧の変化は温度差によるとされる。太陽光で温められた空気が移動すると風が吹いて高気圧、低気圧が生まれる。では大気圧がどうやって生まれているかと言えば、下から上に積み重なった空気の柱の重さが大気圧の原因と説明される。
しかし、「気体には遠心力が働かない」で説明したとおり、大気圧の原因は重力ではない。わずかにプラスに電離した大気が地表と電離層の間に生じる電圧差で発生している。気体は弾性流体なので開放系で圧力を伝えることは出来ないのだ。
さらに雨が降る原因もおかしい。地表から蒸発した水分を含む大気が上昇して温度が下がると過飽和状態になって、雲になる。雲が結露すると水になって雨が降る。ちょっと考えただけで、過飽和状態の空気が一部雲になると、過飽和ではなくなるので、雨は降ってもほんの少しだ。雨はオゾンと水素原子と電子が空中で合成されて降る。
雷もおかしな説明をされている。積乱雲の中で氷の粒がこすれあって、静電気がたまっていくなんて、どう考えてもおかしい。氷の粒がこすれて静電気がたまるなら、猛吹雪の中を歩くと感電して死んでしまうはずだ。雷は、積乱雲にチャージされた電荷が上昇気流で上下が急激に離れることで電圧が上昇する。積乱雲にたまる電荷の元は、電離層から降りてくる大気電流と地表から上昇する電子だ。大気は誘電体バリア放電している。
台風や竜巻が回転する原因として説明されているコリオリの力も変だ。電気的地球科学ではコリオリの力は、つるしたワイヤーが磁場を横切るときに生じるローレンツ力だと指摘している。
さて、こうやって説明してきても、たいていの人は、気圧が電位差で生じる、という所で躓いてしまうだろう。イオン風を知っている人は少ないし、弾性流体をイメージできる人はもっと少ないからだ。気象学は、なぜ?と考えるのではなく、丸暗記で覚えてしまう人が大多数であることも重なっている。誘電体バリア放電などは、ほとんどの人が知らない。この記事を読んで関心を持った人は、自然を理解するための基礎知識が電気にあることを考えて欲しい。
夜になると星が見えるが、現在の夜空は暗い。もし宇宙が無限に大きいなら、星も無限にあって、夜空は明るくなるはずだ、というオルバースのパラドックスがある。この答えとして、宇宙は膨張しているので、遠くの星の光は光速を超えて広がるため、届かない、と書かれている。
この中には2つの間違いがある。宇宙は膨張していないし、遠くの光は無限に届くわけではない、という点だ。赤方偏移が膨張ではなく、星間物質の濃淡によるものであることは、どこかで書いた。光は、空間を媒体にして進むのではなく、荷電粒子を媒体にして伝わっている。恒星の近くでは濃度の濃い星間物質が銀河間になると急激に薄くなる。1cm3あたり1個か2個しかプロトン、電子が存在しない。恒星の近くの星間物質が濃い領域から希薄な領域に出ると、媒体になる星間物質が減るため、波長が伸びてしまう。これが赤方偏移として観測される。遠くの星の光は、まばらな星間物質を伝わってやってくるので、遠くになるほど、波長が伸びて、同時に光の電界が減少していく。
赤方偏移、オルバースのパラドックスは、光が星間物質により伝わっているとわかれば、自ずと理解できる現象なのだ。ちなみに星間物質のまばらな領域では、光速は速くなると予想できる。じっさい、金星のレーダー観測では、レーダー波が光速より速いことが観測されている。
RADAR TESTING RELATIVE VELOCITY OF LIGHT IN SPACE
光の伝搬メカニズムは、まったく新しい宇宙の構造を見せてくれる可能性がある。銀河間では光が地球近傍の数万~数百万倍の速さで移動している。いままで考えられている以上に宇宙は広いのだ。