ほとんどの人は裸の王様の話を知っている。バカには見えない服を着ている王様を国民の多くが賞賛する。服が見えない、なんて言ったら、自分がバカにされると恐れ、皆服が見えているふりをしているのだ。
科学は現実の現象があって、それを合理的に証明することで成り立っている。基本的な原理、法則は過去に誰かがそれを証明していて、そこにさらに枝葉を継ぎ足すことが現代の科学だと考えられている。巨人の肩というときもある。
しかし、何度も指摘するが誰も証明していないことを踏み台にして多くの理論が組み立てられている。このブログでは、誰も証明したことのない科学的法則原理を取り上げてきた。5つの間違いがあると指摘したが、もう少し別の角度から見てみよう。
たとえば、太陽は核融合で輝いているというのが大方の常識となっている。しかし、太陽の核融合は証明されたわけではない。太陽―核融合説には、いくつかの前提がある。太陽の中身は重力で押しつぶされた水素ガス、水素原子同士が融合して重水素が出来る、この2つは太陽―核融合説ではほとんど議論されない。
もし、太陽内部の密度が高いのであれば、太陽の自転が説明できない。太陽は赤道付近が最も自転速度が速く27日程度、極に近づくにつれて遅くなり30日くらいで1回転する。もし、内部の密度が高いのであれば、中心部ほど慣性力が大きいので、周囲の薄いガスを引きずっているはずだ。極に近づくほど速度が速くなり赤道付近は遅くなるはずだが、現実には逆になっている。
また、水素原子同士が融合するP-P反応は、ひとつの核融合が起きる確率が140億年と予想されている。こんなに時間がかかる反応が太陽を輝かせているとは考えにくい。ニュートリノも地球まで飛んでくる間にタウニュートリノに変化するとニュートリノ振動で説明するが、これも怪しい。
地球の自転は慣性で回っていて、少しずつ、自転速度が遅くなっているとされる。しかし、地球の自転速度はこの50年の間、少しずつ速くなっている。
地球の公転もそうだ。太陽と地球の重力が遠心力とつりあっている状態というのは、きわめて不安定な状態だ。少しでもどちらかが強くなれば、太陽に落下するか、どこかに吹っ飛んでいく。惑星同士の重力は多くの場合無視されている。惑星が直列したら、そのまま惑星同士がくっついてしまうはずだ。18世紀の哲学者カントの指摘は200年以上無視されたままだ。少し考えればわかること、調べればわかることが放置されているのだ。
ほかにも海水の潮汐、コリオリ力、空はなぜ青いか、地震の原因、プレートテクトニクス、光速度不変など、現代科学には、明らかにおかしな説明が多い。それを専門家は、何も疑問を抱かないで、したり顔で説明する。「専門家というのは、疑問を持ち続けて勉強し続ける人のことを言います。そして、知識の体系の中で理論や解釈を位置づけます。」と主張する場合も多い。結局は何も考えないのが落ちだが。裸の王様は、本人が風邪を引くだけですむが、科学における矛盾、瑕疵の無視は、人類に大きな損害を与える。日本では国民の科学知識普及を妨げるために、1986年以降、ポピュラーサイエンスが抹殺されてきた。科学の裾野を狭めたことは、国内産業の低迷に現れている。現在の科学を修正するには、「王様は裸だ!」と指摘するだけでは足りないのだ。