人工衛星による地球磁場の測定がある。同じような人工衛星による重力測定では、衛星の軌道変化から重力の変化を推定していたのに対して、磁場は直接観測した値だ。地球磁場の分布をみると非常に興味深いことが見えてきた。
上の図は北大西洋の磁場の分布だ。下の図の重力分布と比較してみてほしい。重力分布は、地表と衛星の電荷による引力の変化だと指摘した。重力分布では海嶺から東西に延びる筋が磁場では垂直になっていることがわかる。
電子に力を加えると後方に円形磁場が発生する。地表近くの岩石に含まれた電子が自転方向に回転すると、角加速度で磁場が発生する。円形磁場は地表に現れると南北に向きがそろう。
電気的地球科学では、衛星軌道から見た重力は地下の岩石が蓄えている電子による電気引力だと主張している。磁場の観測からは分極した電荷を蓄えた岩石に対して直交した磁場が現われていることが分かった。これは電気的地球科学の地下275km付近に存在する膨大な電子が自転で回転することにより、磁場を発生させ、シューマン共振のELFで重力を発生させているとする主張を裏付けるものだ。
もし、ダイナモ理論が主張するように地球中心部のコアが磁場を発生させているとしたら、重力と磁場の分布がこれだけ相関関係を持っていることを説明できない。
電子と電子を衝突させようとするとできない。電子ビームを交差させても素通りする。このことをパウリの排他律で説明する場合があるようだが、陽子同士は衝突するので、間違っているだろう。電子―電子が衝突しないのにはほかに原因がありそうだ。
ところで、光も衝突しない。強力なレーザービームを交差させても衝突は起きないらしい。らしいというのは、ガンマ線同士だと衝突するからだ。ガンマ線を照射すると電子と陽電子ができる。出来た電子と陽電子から発生した強力なガンマ線はぶつかるという。(下の図のC)
光子 + 光子 → カイc2中間子 → 光子 + J/プサイ中間子
https://www2.kek.jp/ja/newskek/2003/mayjun/photon.html より
しかし、この反応は仮想粒子を考えることによって成立する反応だ。仮想粒子とは反応の過程で、存在することを仮定するとうまく説明できるという粒子で、直接観測することができない。上の反応でも光子(ガンマ線)は仮想粒子なのだ。
光と光の衝突には、別の矛盾もある。光は電場と磁場の波であるともいう。するときわめて接近させた光の電場同士は影響するはずだ。磁場も磁気リコネクションがあるので、相互作用するはずだ。しかし、光は波として考えても互いに作用しない。
電気的地球科学では、電気力線は中和しないと主張している。この主張の通りのことが光、電磁波で起きているのだ。
ガンマ線による電子・陽電子の対生成はもう少し考えてみる余地がある。
量子力学では素粒子を2つに分ける。フェルミ粒子とボーズ粒子だ。電子、陽子などの電荷をもつ粒子はフェルミ粒子だ。光子は電荷をもたないのでボーズ粒子ということになる。
フェルミ粒子は、たとえば電子なら原子核周囲の軌道上には、同じスピンの状態で1つ以上の電子が入らないというパウリの排他律(原理)がある。パウリの排他律は経験的にわかったもので、その原理は明らかではない。
YAKUGAKU LABより
それぞれの軌道に入る電子の数は以下の通りになる。
wikipediaより
静的原子模型では、軌道上の電子は原子核の正負の電荷と陽子振動によるガンマ線の定在波でゆるくつながれている。もっとも簡単なヘリウム原子は次のようになる。
原子核を点対象として対角線上に電子が位置し、互いの電荷で反発するため、常に対称性を保ちながら動いている。この対称的な動きがスピンだ。
ヘリウムの場合はK殻しかないが、外側に行くにしたがって入る電子の数が増えるのは、原子核を挟んで電子同士の電荷が弱くなるからだと考えられる。ここではK,L,Mと円軌道として描かれているが、じっさいには原子核の凸凹と対応した非常に複雑な軌道をとっていることが予想できる。L,Mなどは内側の電子との斥力もあるのでさらに複雑さを増すはずだ。
1920年代に主張された核内電子説が廃棄された理由として、不確定性原理によって推定された原子核内の電子の速度が光速を超えること、また、原子核内部に存在する陽子と電子のスピンが合わないことが挙げられている。
核内電子の速度は、不確定性原理からの予想なので、無視していいとして、スピンの数については、原子核内の電子は固定されているので、スピンはないとできる。スピン自体が原子核の電荷との相互作用によって現れた現象なので、原理でも律でもない。
核内電子説は否定されたのではなく、誤解されたのだ。
衛星による重力測定は、重力傾斜計によっても行われている。GOCEは数少ない重力傾斜計を搭載した衛星だ。
これはGOCEが測定した重力地図。
こちらは従来のレーダー測距による重力地図。あまり似ていない。
では、全く関係ないかといえばそうでもない。アイオワ州の重力地図を比較してみると、相関がある。これはGOCEによる地図だ。中央から左に重力異常がある。
こちらはレーダー測距による重力地図からアイオワ州付近を切り取ったもの。重力異常は同じように現れている。
重力傾斜計が電気引力に対してどのように反応しているのか、調べてみたい。
現在、数基の衛星が打ち上げられていて、地球上の詳細な重力地図が公開されている。先の記事に使った図がそれだ。衛星にはマイクロ波のレーダーが搭載されていて、地表との距離を数センチの精度で計測する。衛星の高度の変化が重力の変化として計測されている。電気的地球科学では、衛星が影響を受けているのは地表の電荷だ。衛星軌道ではプラスの電荷が優勢なため、衛星もプラスに帯電する。重力として計測されるのは、地表の電荷だといえる。
いくつかの重力地図を見てみると興味深いことがわかってくる。南極大陸は重力の強い場所である。
反対側の北極は特段重力は強くない。
ヒマラヤ山脈を見るとなにやら奇妙なパターンが見えてくる。
日本列島の中心にも同じパターンがある。
どこかで見たことがあると思ったら、これだ。永久磁石の表面に出来る磁区のパターンに似ている。
衛星から見た重力は、岩石が帯びた電荷による電気引力なので、誘電体である岩石の分極が現れたのが、重力のパターンであった。