衛星による重力測定は、重力傾斜計によっても行われている。GOCEは数少ない重力傾斜計を搭載した衛星だ。
これはGOCEが測定した重力地図。
こちらは従来のレーダー測距による重力地図。あまり似ていない。
では、全く関係ないかといえばそうでもない。アイオワ州の重力地図を比較してみると、相関がある。これはGOCEによる地図だ。中央から左に重力異常がある。
こちらはレーダー測距による重力地図からアイオワ州付近を切り取ったもの。重力異常は同じように現れている。
重力傾斜計が電気引力に対してどのように反応しているのか、調べてみたい。
現在、数基の衛星が打ち上げられていて、地球上の詳細な重力地図が公開されている。先の記事に使った図がそれだ。衛星にはマイクロ波のレーダーが搭載されていて、地表との距離を数センチの精度で計測する。衛星の高度の変化が重力の変化として計測されている。電気的地球科学では、衛星が影響を受けているのは地表の電荷だ。衛星軌道ではプラスの電荷が優勢なため、衛星もプラスに帯電する。重力として計測されるのは、地表の電荷だといえる。
いくつかの重力地図を見てみると興味深いことがわかってくる。南極大陸は重力の強い場所である。
反対側の北極は特段重力は強くない。
ヒマラヤ山脈を見るとなにやら奇妙なパターンが見えてくる。
日本列島の中心にも同じパターンがある。
どこかで見たことがあると思ったら、これだ。永久磁石の表面に出来る磁区のパターンに似ている。
衛星から見た重力は、岩石が帯びた電荷による電気引力なので、誘電体である岩石の分極が現れたのが、重力のパターンであった。