現在のプレートテクトニクスで説明されるマグマ発生のメカニズムは次のようになる。地下数十キロのプレート付近では、非常な高温だが玄武岩が溶けるほどではない。そこにプレートが引きずり込んだ水分が加わると融点が下がるため、玄武岩などが溶けてマグマになる。溶けたマグマは比重が軽いため地表近くまで上昇してくる。
この説明ではおかしなことが2つある。まず、地下数十キロの高圧状態の岩石にどうやって水が浸透していくのか? また、仮に溶けたとしても上昇すると周囲の温度が下がるので、マグマ自体も冷えて固まってしまう。温度の低い地表までマグマが溶けた状態で移動するには、熱源がなくてはいけない。
ところで、高温で鉄を溶かす溶鉱炉では、炉の上から上からコークスを入れて燃やし、高温を得ている。鉄鉱石も上から入れるが、コークスは隙間だらけなので、高温で溶けた鉄は隙間を伝って炉の下から出てくる。炉の下からは千度以上の熱風が吹き込まれ、コークスを燃焼させている。
もし、地下のマグマが地球内部の熱で溶け続けているのなら、熱の移動がなければいけない。しかし、マグマは高圧状態でも対流していることは確認されていない。もしマグマが対流しているなら、振動するのでわかるはずだ。日本列島はマグマの上に浮いているようなものなので、常にマグマの対流する振動が聞こえてくるはずだが、そうした音はしない。
対流させずに物を溶かす方法は電気だ。製鉄では電気炉が使われる。巨大な炭素棒を屑鉄の中に突っ込んで流れる電流で鉄を溶かす。
マグマは電流で溶けているのだ。地下のマグマが固まらずに溶けているのは、マグマに膨大な電流が流れているからに他ならない。
しかし、それでも疑問は残る。マグマは電気を通すが、固体の岩石は電気を通さない。最初に岩石を溶かしてマグマにしたのは何だろう? これこそが惑星間の放電であることは、また別の機会に書きたい。