電気的地球科学で主張している静的電子原子模型、SEAM(Static Electron Atom Model)と同じような理論にSAM(Structured Atom Model)がある。どちらも共通しているのは、原子核内部に電子が存在するという点だ。しかし、SAMとSEAMで大きく違うのは、原子核内部の電子の電荷が軌道電子に影響を与えているかどうかだ。SAMでは従来の量子力学と同じで核内電子は原子核の外には影響を与えない。SEAMは核内電子のマイナスの電荷が軌道電子を緩くつなぐ原因としている。もっともよくわかるのがトリチウムの崩壊だ。
これがSAMが主張するトリチウムがヘリウム3に崩壊する過程。
こちらはSEAMが主張している崩壊過程だ。
一目見て違うのは、トリチウムの構造だ。SAMでは陽子3個が電子2個で直列につながっていて、これが電子1個が抜けて崩壊すると、陽子3個が中央にある電子1個でまとまる。
いっぽうのSEAMではトリチウムは陽子3個が電子3個で結合している。電子1個が抜けて崩壊すると陽子3個が電子2個で直列につながった状態に変化する。
SAMでは、ヘリウム3の構造が中央の電子1個でまとまっているとされるが、なぜ電子が陽子3個の中央に移動するかが明らかにされていない。SEAMは陽子と電子が直接結合していると考えているので、崩壊過程が合理的だ。
しかし、SEAMではトリチウムの原子核に電子3個があるので、核外に現れる電荷を調整するために、電子が陽子に食い込んで、1個の電子が核外に及ぼす電荷は3分の1であると仮定している。この3分の1という数字は、陽子と電子の結合の度合いにより変化すると考えている。ヘリウム3には核内電子が2個あるので、電荷は2分の1となる。
また、SEAMで予想している核内電子の陽子への食い込みは、質量欠損の原因だと指摘している。電子の電荷が減少した分、電磁質量が減少するからだ。
SAMは原子核内部の電子の電荷が核外へ及ぼす影響を否定しているので、軌道電子などは量子力学と同じに見ているようだ。SEAMは量子力学を否定する方向に進んでいる。筆者がSAMの存在に気がついたのは5年ほど前だった。すぐにカール氏にメールして、核内電子の電荷について議論しようとしたが、返事がなかった。このサイトでいくつかのコメントをしたが、納得のいく返事は得られていない。