LENR(low energy nuclear reactions)、日本では常温核融合のほうが通りがいいが、その仕組みについて考察した論文はあまりない(あってもかなり変だ)。標準理論では原子核内部の構造はわかっていないし、核力の原因、原子核を維持するメカニズムも不明だ。SAMは原子核の構造に踏み込んでいるが、核力、量子跳躍などを説明していない。原子の構造とそのメカニズムについて言及しているのはSEAMだけだ。
簡単にSEAMでの原子の構造をおさらいしてみよう。まず、原子核は陽子が励起した電子で結合されている。陽子は球形であると考えられるので、陽子と陽子の接する場所に少し大きくなった電子が入り込み、両側の陽子を引き留めている状態だ。電子は陽子内部に食い込んでいる。
ニュートリノは原子核を媒質にして伝わる電磁波だが、原子核に入ると陽子内部を通り抜けて、結合している電子を通って、隣の陽子に電場のパルスが伝わっていく。原子核をニュートリノが通り抜ける際に生じる電場のパルスによる陽子表面の振動が周囲にガンマ線の定在波を生み出す。この定在波が量子跳躍の原因を作っている。
また、陽子と陽子を結合させている電子は、その角度が真っすぐではないため、ニュートリノのパルスが通り抜けるときに横向きの力を発生させる。電子をはじき出そうとする力だ。十分ニュートリノの電場が強いと電子ははじき出され、原子核は分裂・崩壊する。
常温核融合では電気分解中に異常な発熱、中性子の発生が認められている。熱源はD-D反応であると予想されている。
上の図はSEAMで考えたD-D反応だ。陽子同士がくっつくと衝撃で電子が生まれることは別の記事で解説してある。通常、重水素原子はくっつかない。しかし、SEAMではニュートリノ密度が高くなると重水素原子同士が引き付け合うのではないかと予想する。電気分解では溶液中に大量の電子が移動する。このとき、重水素原子核に電子がガンガン当たるが、その時にニュートリノが大量に発生しているのではないだろうか? 電子が重水素原子核に衝突してもそのままでは結合しない。エネルギーが足りないからだ。しかし、大量に発生したニュートリノが重水素原子核を通り抜けていくとき、間にあるすでに励起した電子―中間子を再び励起する。中間子のクーロン力が増えるのだ。増えたクーロン力と飛び回る重水素原子核の速度が合うと、図のように直角に重水素原子核が衝突する。衝突の衝撃で中間子が生まれ、3つの陽子はそのまま結合するが、衝突した重水素原子核の後ろ半分が反動で離れていく。これが中性子の発生となる。
ニュートリノが常温核融合を促進することはすでに特許がとられている。メカニズムは少し違うが、ニュートリノの発生が重水素原子核を融合することはすでに推測されているのだ。この特許の説明にもあるが、もし中間子を何らかの方法で作ることが出来れば、常温核融合の開発は飛躍的に進展するはずだ。