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EMドライブは、金属管内部でマイクロ波を照射しますが、金属管が円錐をカットした形状になっています。内部でマイクロ波が反射します。面積の大きな面に向かって推力が発生するというものです。
これを電磁質量で考えてみると、金属管内部でマイクロ波が反射するとき、入射する方向に向けて、電磁質量が発生します。すると大きな面と小さな面で、互いに外側から力を加えられたときと同じ状態になるわけです。そのため、大きな面ー小さな面の力が発生することになります。
ところがもっとよく考えてみると、電子にマイクロ波があたったとき、電場の向きはランダムです。生じる電磁質量の向きもランダムになるはずです。電磁質量で力の発生を説明するためには、なんらかの方法で、片側だけに電場をそろえる必要があります。
電場をそろえるためには、コヒーレントなマイクロ波を作って、精密に調整して電子に照射する方法が考えられます。しかしこの方法は現実的ではありません。もうひとつは、照射する金属にプラスのバイアス電圧をかけて、マイクロ波の電場をマイナス側に振ってしまう方法です。これなら電子にあたったとき、電場の向きが違ってもマイナスの電場を加えることが可能です。
EMドライブの実験例は数多くネットに公開されていますが、金属のバイアスについて書かれた実験は見当たりません。EMドライブはせいぜい0.数グラムの推力しか確認されていないのは、チャンバーの形状だけで生じた電磁質量の差が計測されているのかもしれません。あるいは偶然バイアスがかかっている可能性もあります。
追記:後で気がついたんだけど、バイアスの極性を変えると推進力を反転できる。バックできる!