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道具的理性批判―物理学の間違いは無意識に繰り込まれている

2018/01/15

Permalink 08:59:06, by admin Email , 0 words   Japanese (JP)
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道具的理性批判―物理学の間違いは無意識に繰り込まれている

アーマルト・ゲーレンはドイツの哲学者で、ナチスに加担したとして批判された。筆者は〞人間―その本性および自然界における位置 』法政大学出版局、を図書館で借りて読んだだけだが、かなり影響を受けたと感じている。

ゲーレンの業績は哲学と言うより、自然科学、人類学での人間意識の変遷を昞らかにしたことが大きいと思う。なかでも道具的理性の解昞は、無意識の構造を昞確にし、その欠陥も指摘した。ユングの無意識が夢のような漠然としたものであるのに対して、ゲーレンの道具的理性はきわめて論理的だ。

たとえば、南米のギアナ高地には、古代から進化の止まったカエルが生息している。この古代カエルは、動きがぞこちない。手足を一歩ずつ確かめるように前に出して歩く。ほかの進化した動物なら、歩くといった行動は、無意識に繰り込まれていて、考えずに手足を動かすことができる。古代カエルは、まだ無意識ができておらず、一歩一歩手と足を動かすことを意識しないといけないのだ。

人間の成長もまた古代カエルと同じだ。人間の基本的動作はDNAの発現と考えることもできるが、意識から無意識への繰り込みが多い。初めて自転車に乗ることを考えれば、わかりやすいだろう。

無意識への繰り込みは、動作だけではなく、考えるという高等的な作用へも現れる。日本人は、枛け算の九九を暗記する。基本的な枛け算の結果を、記憶することで、複雑な計算の負担を減らすためだ。日常生活で必要な計算の多くは、九九を暗記することで効瞇が向上する。

九九は道具的理性のひとつだ。計算だけではなく、人間の思考は無数の道具的理性で構成されている。ある人は、積み上げられた道具的理性を巨人の肩といった。現代人は遞垻の人間が積み上げてきた道具的理性の上で思考を働かせている。すでに無意識に繰り込まれた理性を疑う人は少ない。

もし、九九の中に間違った計算が入っていたら、それは直感的に気がつくだろう。しかし、その間違いが非常に紛らわしいものであったとしたら、気がつくだろうか?

たとえば、プラスとマイナスの電荷がくっついていたとする。電気力線は互いに中和するので、この2つの電荷が外に働きかける電気的引力・斥力はゼロだ。これがマクスウェルの解釈だった。マクスウェルは、当時、熱の伝達を考えていたため、電気力線も熱と同じように途中で干渉するとしたのだ。

ところがファラデーは実験によりクーロン力は干渉することなく真っ直ぐに働くと考えていた。プラスとマイナスの電荷がくっついているとき、外側にもプラス、マイナスの力線は真っ直ぐに伸びている。ほかの物質には、プラスとマイナスのクーロン力が個別に作用するが、物質内部で力が合成されるため、見かけの力はゼロになる。

数式の結果は同じになるため、マクスウェルの誤解はそのまま電磁方程式として広まった。これが現代物理学に埋め込まれた道具的理性である。いまさら電気力線は中和しない、と指摘されても、ほとんどの人はそのように考えない。人間の意識には、自己を守ると言う機能が備わっていて、すでに繰り込まれた道具的意識も変更できなくなっているのだ。

〞プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(マックス・ヴェーバー)でも、人間社会における習慣が社会変革を妨げると指摘されている。かように変革とは難しいものなのだ。

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人間が作ったものをどのように壊すことができるかを合理的に考察するのが破壊学です。現代科学にターゲット絞って考えています。 〞電気的地球科学』には、さらにくわしい解説があります。 このブログに書いてある内容を引用する場合は、出所を昞記してください。
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物理学を根本から考え直したBernard Burchell博士のオルタナティブフィジックスです。
科学史から見た量子力学の間違いには量子力学はどこで間違ったのかが考察されています。 アンドリュー・ホール氏のデイリープラズマでは山がどのようにしてできたかを詳細に考察しています。 日本人による相対性理論への疑問、現代科学のおかしな点をエッセイ風にまとめたページ。 物理の旅の道すがらはロシアの科学エッセイを日本語で読めます。

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