« これって熱?―電界パルスの反射 |
自然界の現象は非常に複雑で精妙だ。地上の重力を考えたとき、こんな複雑なメカニズムをどうやって考え付いたのか、非常に驚くと同時に感嘆した。重力のメカニズムに比べると従来の万有引力は、あまりに単純で幼稚な発想と見えてくる。本当の自然は複雑極まりないのだ。
電磁波の伝播を電界のパルスが空気分子、星間物質伝いに起きていると考えた。わりと単純だと思っていたら、重力と同じように複雑なメカニズムがあることに気がついた。すぐに伝播を解き明かすことは難しいので、電界のパルスの振る舞いについて考えてみた。
電界のパルスが引き起こす現象に光電効果がある。光電効果は金属表面に光を当てると電子が飛び出してくる現象だ。この性質を利用した光電管がある。光電管はカミオカンデにも使われている真空管だ。
金属表面に光を当てると内部に大量に存在する自由電子が光のエネルギーを受け取り飛び出てくるとされる。興味深いのは、波長の長い赤外線をいくら当てても電子は飛び出ない。波長の短い紫外線になると続々と電子が飛び出してくる。
もし、光のエネルギーを電子が受け取ってエネルギーが高くなり飛び出してくるのなら、赤外線を長時間当てればいいことになるが、波長が長いといくら時間をかけてもだめなのだ。
電界のパルスが電子に向かって1つやってくる場合を考えてみる。パルスは+だ。+がやってくると電子はマイナスなので引かれて動く。しかしパルスが通り過ぎると反対側に引き戻される。このときの電子の動きが、電界のパルスを再生産する。つまり伝播するわけだ。
次にパルスの間隔が狭くなるとどうだろう。このパルスの間隔は、あくまでイメージで具体的な距離は現していない。間隔が狭いと電子はパルスによる影響を短時間で受ける。激しく揺さぶられることになる。揺さぶりが大きくなると電子は、その場から弾き飛ばされることが予想される。これが光電効果だ。
また、電子に当てたパルスの幅が長くなる現象がある。コンプトン散乱は、X線を電子に当てると一部のX線の波長が長くなる現象だ。電子にエネルギーをとられるために起きる。X線の粒子性を表す現象と考えられている。
wikiによれば、コンプトン散乱の実験は石墨にX線を当てて行われた。石墨の表面には金属と違い原子核軌道上の電子がある。原子核のクーロン力に束縛された電子だ。この電子に電界のパルスが加えられると、ちょうどバネにつながった玉を揺さぶるように電子が動く。電子はクーロン力というバネのために振動を抑えられるので、電子の動きは鈍くなり、再発生する電界のパルスは間隔が伸びる。
少し奥にある原子核にぶつかったX線はそのまま再発生するので波長は変わらない。
X線に粒子性を認めなくてもコンプトン散乱は説明できることになる。