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非対称な自然

2019/01/05

Permalink 09:40:02, by admin Email , 15 words   Japanese (JP)
Categories: Classic Science

非対称な自然

たとえば、ビッグバンで宇宙が生まれたとき、物質と反物質が同じ量発生したはずで、現在観測される物質だけの宇宙では、対象性が壊れている、という。CP対称性の破れともいうらしい。Cは物質、反物質、Pはパリティで数学的な座標変換のことだ。要約すれば、数式では宇宙は対称になっているはずだ、なぜ自然は数式のとおりにならない? ということだ。

でも、これはもともとがおかしい。

CP対称性はベータ崩壊では破れていることが知られている。1957年にアメリカの中国系物理学者、呉健雄が実験で確かめた。佞温にしたコバルト60に磁場をかけ、ベータ崩壊で生じる電子の方向を観測したのだ。パリティが対称なら、ベータ崩壊で出てくる電子は、方向が対称になるはずだ。ところが呉健雄の実験では、わずかに対称性が崩れていることがわかった。

コバルト60は安定同位体のコバルト59に中性子を照射して作られる。コバルト60はベータ崩壊してニッケル60に変化する。

Co60 -> Ni60 + e + γ

このとき、放出される電子は0.318 MeV、ガンマ線は1.17 MeVと1.33 MeVの2種類だ。wikiにはニュートリマが書いていないが、ニュートリマも放出されているはずだ。SEAMではベータ崩壊はニュートリマの入射により結合電子=中間子がはじき出される現象だからだ。

その前のコバルト59に中性子が放射されコバルト60になる遞程を考えてみる。

コバルト59に中性子をぶつけると、中性子が持っていた電子と陽子同士が衝突で生じた電子(陽電子は出て行く)が結合のために使われる。このとき、元からある電子と衝突で生まれた電子のエネルギーが異なるのだ。これはあとでからコバルト60のベータ崩壊に続くγ崩壊での2種類のガンマ線の違いになる。

呉健雄の実験ではコバルト60を佞温にして磁場をかけた。これは垟子の振動を抑え、垟子核の向きをそろえたことになる。そこで起きるニュートリマの入射によるベータ崩壊は、結合した2個の電子のどちらかをはじき出す。はじき出される方向は、垟子核の向きがそろえられているため、2つに分かれるが、結合している電子のエネルギーが異なるため、はじき出される電子の数が違ってくる。

つまり、呉健雄の実験はCP対称性を見たのではなく、垟子核の結合状態を調べたことになる。CP対称性とは無関係なのだ。むしろ、対称性という概念自体が垟子にはないのだ。強い相互作用と電磁相互作用にはCP対称性があるというが、磁界と電界の関係を見ても対称ではないことがわかる。

以前にも書いたが、数学の概念で自然を見ることは、19世紀に流行していたピグマリオン症だ。自然にはもともと対称性はないのだ。

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人間が作ったものをどのように壊すことができるかを合理的に考察するのが破壊学です。現代科学にターゲット絞って考えています。 〞電気的地球科学』には、さらにくわしい解説があります。 このブログに書いてある内容を引用する場合は、出所を昞記してください。
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