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天体望遠鏡が発明されたのは1609年だった。それから約80年後にニュートンは万有引力を発見した。しかし、重力が科学者の間に普及するまでそれから約100年かかった。キャベンディッシュの実験が知られるまで、万有引力は万人に認められていなかった。ラジオ放送が始まったのは1925年ごろで、まだ100年経っていない。自然界を電波で観測するようになったのも50年くらいだ。ヴェリコフスキーが宇宙での電磁気力を主張したのは1950年代で、ほとんどの人は電波に関して無知だった。電波天文学が現れたのは1970年代だ。それまでは科学者であっても、ようやく重力をイメージできただけだった。宇宙が電波で満ちているなどということは夢にも思わなかったようだ。
筆者が子供のころ、アマチュア無線が大流行していて、学校のクラスでも数人がハムの免許を持っていた。当時はようやくビッグバン宇宙論が日本で紹介され始めたころで、科学雑誌には必ずビッグバン宇宙論の記事があった。ビッグバン宇宙論で重要なインフレーションを日本人が考えたということが、記事に拍車をかけていた。ビッグバン宇宙論を後押ししたのが、電波天文学だった。宇宙の深い場所からやってくるマイクロ波を大きなパラボラアンテナで受信するのに、非常にあこがれた記憶がある。ところが、電波天文学はその原因を熱と重力だけで考えられた。
宇宙論、地球科学はまだ電波を知らない学者が自分の持っている知識だけで作り上げたイメージだ。電波はまだイメージしやすいが、プラズマや誘電体となるとごく一部の専門家しか知らない世界になる。しかし、重力、温度、圧力だけでは自然科学は行き詰まりが見えてきた。明らかな矛盾を妄信で乗り越えようとしている。自然科学は電磁気力をメインに考えるべきだ。電気的宇宙論、電気的地球科学はこれから普及してくるはずだ。