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立て続けの更新になるが、非常に気になった論文を見つけたので紹介しておきたい。
古地磁気データは信頼できるか?:古地磁気の批判的分析
PDFなのでダウンロードするときは気を付けてほしい。内容をアブストラクトから紹介しておく。
分析試料の選択に関する古地磁気学の前提条件や仮定を徹底的に分析すると, 古地磁気学のおもな前提や仮定はいずれも再考すべきものであることが明らかになる. 古地磁気学における試料選択の基準や実際は, 573 ~ 673 K (緑色片岩相下部) に達する試料採取を許容しているが, 第一鉄イオンから第二鉄イオンへの変換 (transformation of ferrous to ferric iron : TFFI) を考慮すると, それら成分は信頼できるものではない. Van der Voo (1990) は 1950 ~ 1960 年代の古地磁気データは信頼できないものとして棄却し, これらのデータにもとづくすべての結論-大陸移動や極移動の根本をふくむ-を疑問視している. この分析から明らかなように, 古地磁気学は, 妥当でない前提や仮定, および信頼できない試料選択に基づいていて, 信憑性のない解釈からデータや結論を描き出し, その結果, すべてとはいわないまでも, ほとんどの結論がそれらから導かれたものである.
論文の結論はさらに厳しい。古地磁気学は地球科学からいったん排除して、全く別の磁気の原因を必要としている。古地磁気学に則った大陸移動説も見直すべきだろう。
古地磁気学は多数のまちがった前提と仮定にもとづいていて,また,データと解釈を信頼できなくしている試料選択にもとづいていて,すべてではないにせよ,ほとんどの結論が導かれている,というのがこの論文の最終結論である.