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太陽系の惑星が公転している力は、太陽を貫く電流がもたらしているローレンツ力であると指摘した。(「電気で見た宇宙と地球」)しかし、これだけでは惑星の運動を説明することはできない。この動画を見てほしい。
太陽を中心に惑星はらせん状に運動している。公転の力だけでは、太陽から置いてけぼりにされてしまう。太陽系に働くローレンツ力は公転の力だけではないことがわかった。
太陽系には太陽風が吹いている。プロトンとエレクトロンの流れは電流の流れでもあり、磁場の渦でもある。
惑星は太陽系では帯電した球だ。プロトンが優勢のため+の帯電球と見ることができる。
このとき、帯電球には磁場に垂直に力が生じる。公転面に磁場の向きがあるので、ローレンツ力は太陽の北極、つまり銀河系での進行方向に力が働く。
最初の動画で見た渦巻きは、各惑星に回転する力と太陽の進行方向に向く力の両方がなければいけない。これで2つのローレンツ力がそろうことで、渦巻状の運動を説明することができた。
話を水星の近日点に戻したい。もう一度水星の磁気圏を見てみよう。
地球の100分の1とはいえ、立派な磁気圏を持つ。これが太陽のすぐそばで太陽風に吹かれている。自転、公転に影響しないわけがない。
ところで、水星の表面を探査衛星が撮った画像を見ると、非常にカラフルな色をしていることがわかる。これ、表面で電子があふれて放電しているんじゃないか?
金星の場合は、二酸化炭素の大気が太陽側でプラスに帯電、反対側でプラスが宇宙に逃げていた。大気が静電モーターになって、強烈なスーパーローテーションを作っていた。水星は大気がほとんどなく、電離層も薄い。地表の岩石に蓄えられた電子が静電モーターとして働いていることが予想される。太陽の陰になると電子が宇宙空間に放出されるからだ。自転もゆっくり、磁場も小さい。
肝心の近日点だが、原因はいたって簡単。水星の薄い電離層のプラスと地表のマイナスが楕円軌道を作っている。太陽に近づくと電離層のプラスが反発して太陽から離れていく。太陽は巨大なプラスだからだ。太陽から離れると今度は地表のマイナスで太陽に近づく。おそらく地表の電子の量は一定だが、電離層のプロトンの量が、太陽に近づくと増えるので、反発力が大きくなって離れる。離れるとプロトンの量が減少して電子の引力が勝るので近づく。この繰り返しだ。
さらに付け加えると、太陽振動による太陽風の定常波のはざ間に水星が捕らえられているので、一定の距離の間で公転軌道が振幅を繰り返している。このメカニズムは、太陽系の惑星に共通する。惑星の軌道は、太陽に対する電荷の量と太陽振動による定常波によって作られている。非常に複雑なのだ。
アインシュタインが1915年に計算した水星の軌道はいったいなんだったのだろう? 偶然にしてはできすぎている。
水星の近日点を考える途中だが、惑星の磁場を考えてみたい。地球の磁場は、地球の中心付近にある核の活動によって発生していると考えられている。外核は地下2900kmにあって、ニッケルと鉄が溶けて流動している。この金属の流れが磁場を作っているらしい。
電子工作の世界では、磁場があれば電流があるのが常識だ。外核には強力な電流が流れているはずだが、そのエネルギーはなんだろう? もし自転によるエネルギーなら自転は慣性によるので、あっという間に地球の自転は止まってしまう。金属が流れるだけで磁場が発生するなら、製鉄所は大変なことになる。
どうも、この溶けた金属が流れるというのはかなり無理がある。ところで、太陽系を見ると磁場を持つ惑星は多い。水星、地球、土星、木星、海王星、天王星などが固有磁場を持つ。木星の衛星、ガニメデも固有磁場を持つ。固有磁場というのは、自力で磁場を発生させているということだ。
興味深いのは、岩石惑星とガス惑星では、磁場の方向が逆になっている点だ。天王星は自転軸が磁場の方向とかなり違うので、とりあえず置いておく。水星と地球は、自転方向と磁場が同じ。土星、木星、海王星は自転方向が同じで磁場が逆だ。
https://www.cps-jp.org/~mosir/pub/2012/2012-08-22/09_takehiro/pub-web/09_takehiro.pdf より
岩石惑星は、太陽風により運ばれた電子が地表近くに存在する。岩石が相転移して放出された電子も含まれる。電子は非常に小さいので、誘電体である岩石に浸透するのだ。この大量の電子が自転により回転することで、磁場が発生する。回転は角加速度だからだ。
いっぽうのガス惑星は水素、つまりプロトンが大量に含まれる。電子とは電荷が逆になるので、自転方向は同じだが、発生する磁場の方向は逆になる。木星の磁場が地球の2万倍も強いのは、水素ガスが大量にあって、その線速度が速いのとプロトンの電荷が高いからだと考えられる。
天王星の磁場が自転軸とかなりずれているのは、別の理由があるのかもしれない。
相対性理論が認められるきっかけになったのは、日蝕の観測で光の曲がりが認められたことのほかに、水星の近日点の計算がある。水星は太陽に近く、その軌道はかなり複雑だ。水星は公転周期が88日で、自転周期が58日。およそ、2公転で3回自転する。公転のたびに近日点が少しずつ移動する。この複雑な動きを相対性理論は、計算したという。1915年11月の話だ。
これ、なんか似たような話だと思ったら、ニュートンが月の起動計算をしたときと同じだ。プリンキピアを書く前、ニュートンは宇宙空間で働く引力が地球上の引力と同じだろう、と根拠もなく仮定して計算した。仮定はすぐに万有引力の発見に書き換えられた。
気を取り直して、水星の軌道を見てみるとこうだ。
自転を見るとこうなる。
1915年にアインシュタインは、軌道のデータしかなかった時代に近日点の移動を計算した。自転がわかったのは1965年。ところが現在探査衛星のおかげで、水星の周辺はかなり詳細にわかっている。
磁場はあるし、薄いながら電離層もある。太陽と反対側の磁場には、ときたま穴が開いて、プラズマが放出される。アインシュタインはこのような水星の環境をまったく知らず(つまり考慮しないで)近日点を計算したわけだ。(続く)
EMドライブは、金属管内部でマイクロ波を照射しますが、金属管が円錐をカットした形状になっています。内部でマイクロ波が反射します。面積の大きな面に向かって推力が発生するというものです。
これを電磁質量で考えてみると、金属管内部でマイクロ波が反射するとき、入射する方向に向けて、電磁質量が発生します。すると大きな面と小さな面で、互いに外側から力を加えられたときと同じ状態になるわけです。そのため、大きな面ー小さな面の力が発生することになります。
ところがもっとよく考えてみると、電子にマイクロ波があたったとき、電場の向きはランダムです。生じる電磁質量の向きもランダムになるはずです。電磁質量で力の発生を説明するためには、なんらかの方法で、片側だけに電場をそろえる必要があります。
電場をそろえるためには、コヒーレントなマイクロ波を作って、精密に調整して電子に照射する方法が考えられます。しかしこの方法は現実的ではありません。もうひとつは、照射する金属にプラスのバイアス電圧をかけて、マイクロ波の電場をマイナス側に振ってしまう方法です。これなら電子にあたったとき、電場の向きが違ってもマイナスの電場を加えることが可能です。
EMドライブの実験例は数多くネットに公開されていますが、金属のバイアスについて書かれた実験は見当たりません。EMドライブはせいぜい0.数グラムの推力しか確認されていないのは、チャンバーの形状だけで生じた電磁質量の差が計測されているのかもしれません。あるいは偶然バイアスがかかっている可能性もあります。
追記:後で気がついたんだけど、バイアスの極性を変えると推進力を反転できる。バックできる!