Category: メッセージ
RCで90度
IQ信号を得るために、90度位相のずれたLoが必要なわけだが、Soft66DB2では74AC74を使い、4倍の周波数からジョンソンカウンターで位相差を作り出している。ところで、DDSチップを使うと比較的簡単に位相差を作ることができる。共通のクロックを使った2つのDDSチップに対して、同一の周波数を指定してやり、片方のDDSを90度ずらしてやるのだ。アナログデバイス社のデータシートにやり方が書いてあった。
現在ではAD995xシリーズのDDSを使って、それを74AC74よりも対応周波数の高いフリップフロップで1/4にしているのが主流らしい。AD995xだと1個3000円くらいするので、AD9834を2個使ってIQ-DDSを作るのも面白いかもしれない。周波数の足りない分はICS512Mを使えば、4倍しても大丈夫なようだ。
いまやっているのはRCで90度を得る方法。これはSoftRockのVersion5で使われていたが、今回は6メータでやっている。正確に90度を得るのは難しいので、半固定抵抗を入れて受信しながら、イメージを削除するというやり方で調整を取っている。いくつかの回路を試してみたところ、ほぼ大丈夫なところまできた。74AC04で発振させRCで90度ずらした後、余ったインバータで波形を整えるという方法だ。これだと安定して信号を得ることができた。
このRCで作った回路の上にDDSで位相差を作った信号を流してやれば、周波数範囲の拡大が簡単にできる。74AC04をコネクタにしておき、DDSボードと差し替えるようにすればよい。2つDDSを使うのはもったいないので、ICS672を使う方法も考えられる。コスト次第だ。
話はずれるが、面白いチップを見つけた。抵抗値でカットオフ周波数を変化できるフィルタだ。データシートを見る限り、かなりシャープな特性が得られそうだ。何に使うかはもう少し後で。
DDS-33をUSBでコントロール
じつはDDS-34を作るのと同時にUSBからコントロールするソフトを書いていた。プログラムをBasicで書くのは実に10年ぶり以上になる。久しぶりに書こうと思ったら、かなり勝手がちがうので少し手間取ってしまった。
USBとのインタフェースはFT245RLを使った。ここではまったのがSPIだった。FT245RLでは直接SPIへの接続ができないので、BitBangモードというのを使い、1bitずつ信号を出力しなくてはいけなかった。どうしても動かないので、少しあきらめかけていたが、あちこちのSPIに関する情報を読んで、1箇所だけ、本当に1ビット変えただけで動いた。詳細は、もう少ししたらコントロールソフトを公開するのでそのときに。
ということでDDS-34はUSBコントロールできる仕様にする予定。
DDS-34
じつはかなり前から準備していたAD9834を使ったDDSユニットができました。これまでのDDS-33と比べると周波数の上限が25MHzh付近まで延び、21MHz帯もカバーします。使い方はDDS-33とまったく同じ。AD9834用のソフトをここからダウンロードして使います。でも、AD9833用のソフトでもコントロールすることができました。
正式な基板の発注はこれからですが、試作用の基板でも良いと言う方にはすぐにお分けすることができます。価格は送料込みで4000円です。基板は3枚あるので、なくなったら終了です。ご希望の方はメールを下さい。
フォトレジストの取り扱いを再開
以前、公開したフォトレジストの使い方を少し直しました。夏場は保存の難しいフォトレジストですが、そろそろ気温も低くなってきたので、頒布を再開しようと思います。11月からフォトレジストをハムスクエアに登録します。
プリント基板の作成方法には、いくつかの方法があります。フォトレジストを塗った基板にパターンを感光させる方法、レーザープリンタのトナーを転写してパターンを作成する方法、直接基板にパターンを印刷する方法。最後の直接印刷する方法は、まだこれが手順だというのがありません。現状では、フォトレジストとトナーの2種類に分けられます。フォトレジストは、サンハヤトから感光基板として販売されていて、入手性は悪くありません。トナー転写は、感光、現像の工程がない分、手軽にできるように思われますが、実際にやるとある程度の熟練が必要なことがわかります。
どちらの方法を選択するかは、好みの問題でもあります。フォトレジストは、自分で基板にぬれるようになると、経済的でかつ微細なパターンもほぼ確実に描くことができるので、お勧めな方法です。
唯一、フォトレジストの入手がネックになっているわけですが、ハムスクエアでは100ccの小ビンで分けてフォローしていこうと考えています。頒布価格は2500円(送料込み)の予定です。メールでの予約も受け付けています。
「ソフトウェアラジオの実験」のお知らせ
8/22にCQ出版から「ソフトウエアラジオの実験」が発売されました。Soft66と基本的回路は一緒ですが、コンバータを追加してあり、21Mや50Mの受信実験ができるようになっています。
記述の一部に間違いがありましたので、以下のように訂正します。
P18、3.5M帯用BPFの定数で、L1、L4=10回となっていますが、19回の間違いです。
また、21M以上のBPFの解説で、L1、L4の巻き数が1次側10回となっています。L1の10回巻いた側を74HC4066側に、L4の10回巻いた側をアンテナ側にしてください。コンバータ回路のBPFも同様で、L2の10回巻いた側をアンテナ側に向けてください。