Category: バイク
TACKEE + ハーフムースで走ってみた
July 29th, 2013VRM211B TACKEE + ハーフムースをはいて、月山エンデューロの準備と手伝いでコースを走ってみた。タンク3つ分走った。空気圧は0.4kg/cm2。水没したのは、別にしてTACKEEのグリップに感動した。
ガレの登りでは、シフトミスで止まってしまっても、らくらく再スタートできる。特筆するのは、マディ。スタート後、数百メートルがドロドロ。ガレ場の上り口は、助走部分がドロドロで、スピードが乗らないで、上りきれないバイクが続出した。
TACKEE + ハーフムースは、スタックしたバイクをよけながら、するすると登っていける。非常に排土性のよいトライアルタイヤのようだ。ブロックが刺さる点のグリップではなく、タイヤサイドが変形して、トレッド面が路面にへばりつく、面のグリップであることがよくわかった。
FIMタイヤだからモトクロスタイヤよりもグリップが悪い、というのは、TACKEE + ハーフムースには当てはまらない。むしろ、ロック、ウッズでの有利性は、こちらのほうが高いかもしれない。
走行後のタイヤの減り。KTM125なので、少なめだろう。
Tackeeを活かすハーフムース
July 19th, 2013VRM211B TACKEEは、柔らかなコンパウンドでトライアルタイヤのようにグリップする。そのためには、低圧で使用しなくてはいけない。0.2~0.6程度の圧力が望ましい。低圧でチューブを使用するとリム打ちでのパンクが心配になる。
そこで、ハーフムースを作ってみた。材料は、EPDMスポンジゴム、0.12g/cm3とチューブ2.75-18だ。
まず、画像のように幅9センチ、厚さ5センチのスポンジゴムをカット。角も落としてやる。ビードストッパーは2個入れる。
シリコングリースを塗って、タイヤに押し込んでやる。次にチューブを入れるが、2.75-18という細めのチューブをリムの内側に収まるように注意深く入れる。
TACKEEコンパウンドは、柔らかいのでタイヤを入れるのも簡単だ。チューブに空気を入れるとビードが出る。この辺は、チューブタイヤと同じ。
これが0.2kg/cm2でのタイヤの状態。手で押してみると非常に柔らかい。5センチ厚のムースが外側に入っているので、チューブがパンクしても走行できる。
エアチューブの柔らかさとムースの対パンク機能が備わったハーフムース。これで、チューブが1200円、スポンジゴムが3000円。5000円以下で、作れてしまう。
VeeRubberはやわらかタイヤ
March 16th, 2013今年のVeeRubberタイヤの注文準備をしている。いろんなところから、エンデューロタイヤを含めたタイヤの情報が入ってくる。なかでもIRCのGEKOTA?は非常に気になるタイヤだ。
昔、アメリカのホットロッドで使用されているタイヤの記事を読んだ記憶がある。ゼロヨンで使われているタイヤのサイドは非常に柔らかくできている。パワーが加わると、サイドにしわが寄って、一瞬だがエンジンの駆動がタイヤに伝わる前の「溜め」の瞬間が生じる。このタイヤのしなりが強烈なグリップを生むのだという。
じつはVeeRubberにもGEKOTAに相当するタイヤがある。GNCC用に作られたVRM300 GNCC Tackeeがそれ。全体のコンパウンドが柔らかく、サイドも4PLYに落とされている。低圧で使用するとタイヤ全体の接地面がトライアルタイヤみたいに増えるように作られている。
エンデューロタイヤでは、サイドは強いほうがよい、と考えられてきた。低圧で使用するとリムが外れたりする可能性があるからだ。サイドを岩にヒットしてパンクさせるのも怖い。テレルボルグは夏でも交換するのに苦労するほどサイドが堅かった。
しかしムースを使うことを考えると、パンクの心配はしなくても良い。ビードストッパーを2個入れれば、リム落ちも怖くない。チューブリスという方法もある。
ムースは高価なのが難点だが、これも安くできればいいはず。
今年はやわらかタイヤで行ってみたい。
山に行く人はGPSを必ず持つべし
January 3rd, 2013正月早々、家の近所の山で遭難した人がいるらしい。鳥海山は日本海から吹き付ける風が直撃するので、ものすごい風と雪の山なのだ。うちのある場所でさえ一晩に50センチ以上積もることが珍しくない。新雪の上では、スノーモービルのキャタもグリップを失ってしまう。せめてGPSを持っていれば、所在地がわかるので、一人だけでも持っていくべきだった。携帯のGPSでは、電波が繋がっていないと地図がダウンロード出来ない。
去年から使っているGARMINのGPS。小型だが日本全国の地図がはいる。2万5千分の1の地形図も国土地理院のサーバーからダウンロードできる。林道に持って行くとルートが記録できるので帰ってから道を確認できて便利。
なぜFIM規格?
December 27th, 2012タイヤの性能とは、グリップであると大抵の人は考えているはずだ。どんな路面でも十分な駆動力・制動力を得られるのが優秀なタイヤといえるだろう。これに旋回性能などが加わって、トータルな面でのタイヤ性能が評価される。
これは、木下電機でテストする予定のタイヤ。VeeRubberがGNCCのために開発したモトクロスタイヤだ。柔らか目のコンパウンドで軽量化されている。結果が良ければ来季に注文するつもり。
グリップがタイヤ性能であると書いたが、現在扱っているFIM適合タイヤは、ある面ではモトクロスタイヤに負ける。ブロック高が高い分、柔らかな土、牧草地ではモトクロスタイヤに分がある。
タイヤのグリップ、つまり静止摩擦係数は地面との接地面積で大方が決まる。タイヤの空気圧を落として接地面積が広くなれば、グリップが良くなることはライダーなら経験からわかるだろう。トライアルタイヤが低圧でグリップが良いのは、ゴムの柔らかさとタイヤの厚みのために、接地面積がより広くなるからだ。
この接地面積を追求したのが、クローラーだ。ゴムの幅広いキャタピラは泥濘地、雪面で極大のグリップを発揮する。ATTRAXというクローラータイプの製品があった。これはバイクの後輪につけて雪の上で走行できる仕組みだったが、普通の土の上でも走行可能だった。ようするにトライアルタイヤのような駆動力を求めると、ATTRAXに行き着くわけだ。ATTRAXを装着して難所系エンデューロに出れば、技量には関係なく完走が可能になるだろう。
では、このような方向にエンデューロレースが向かうことが正解かというとそうではないと考える。タイヤ、マシンの性能を制限して、ライダーに公平な環境で競技してもらう、これがヨーロッパで行われているエンデューロ競技の精神だといえる。FIM規格タイヤは自然に対するインパクトを考慮していると同時に、タイヤ性能を制限することで競技における公平性を目指しているわけだ。