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木古内レポート
June 28th, 2005先週、木曜の夜に庄内を出発、ハイエースの後ろで缶ビールを飲みながらひたすら青森を目指した。いつもは、一人で行くので、自分で運転するのだが、今回はチームでの参加になった。ビールを飲みながら行けるなんて、楽だ。天気予報は、降水確率が上がったり下がったりしながら、動きが激しい。結局は、路面に影響するだけ降ることはなく、レースはハイスピードになった。
一日目、少しだけ雨がぱらつくが、降り続けるだけの勢いはない。会場に行くと顔見知りのライダーが多く、とくに函館のライダーとは懐かしく会うことができた。スタートはゼッケン100番なので、ちょうど20組目になった。スタートはなぜかトップで飛び出してしまった。飛び出してしまったというのは、先に行くつもりは全くなかったのだが、まわりが妙にスタートに手間取っていて、エンジンの掛かりが良いKTM125は、フツウにキックしただけで、すぐに動いてくれたからだ。でもこの先頭というのがまずかった。
モトクロコースを回って林道に出た。後ろから追ってくる音は聞こえるが追い越すマシンはいない。作業道の登に入って鉄塔を目指して登る。まだ先頭。下ってチェックポイントを右に曲がって、ミスコースし損なったら、後ろから付いてきたマシンも一緒に真っ直ぐに行ってしまった。コースに戻って、林道を行くが追い越すマシンはない。ここで後ろを先にやらせれば良かった。
杉林の中に入るとちょっとだけヌルヌルになっているが、調子よく行ける。でもここら辺で、両腕はもうぱんぱんになっていた。もうちょっとで杉林を抜けるところで、なんでもないわだちでバイクを倒してしまった。すると怒濤のように後ろのマシンが数台追い抜いていった。バイクを起こしてみたが、もう腕に力が入らない。とくに左手はグリップを握るのがやっとの状態。一昨年、右腕の筋肉を断裂させてから、左腕に負担がかかるようになってしまった。
のろのろと林道を行くがさっきまでのスピードはまったく出せなくなってしまった。川の下りは倒さないように支えていくのでやっと。だめだめである。いつもだと2周目になると腕上がりが解消されてくるのが、今回は2周目にはいっても力が戻ってこない。結局、腕上がりが解消されたのは2周目の後半からだった。それでも今回の木古内は、はまる場所もなく、ものすごく走りやすい。そのせいか、いつもは、はまっているマシンを追い越して順位を上げるのが、ぜんぜんできない。
ほかのメンバーは順調に走ったらしく、とくにK君とO君はずっと先の順位になっていた。1周目にK君から抜かれたときはショックだった。川の下りでへろへろに走っているところを抜いていった。
一箇所、川の中にものすごく深い場所があって、入っていったらシートの下まで水がきたが、勢いでなんとか抜けることができた。もうフロントが入ったとたん、お終いかと思った。なんとか、規定時間内で回って、一日目は終了した。順位は、限りなく後ろの方だった。上がりきった腕をもみながら、明日はどうしようかと思いながら、持ってきたクエン酸水をがぶ飲みした。
木古内のコースは約50キロと長い。コースは林道、作業道、シングルトレール、渓流沿いと変化に富んでいる。今回のコースは、いつもよりも短めになっていた。1日目のスタートから林道に出るまでは、毎度おなじみのモトクロコースっぽい広場を通る。林道を数分走ると作業道を登っていく。今回はこの作業道から鉄塔へのルートがいつもとちがっていた。作業道の登りは、やわらかな黒土なので雨が降ったら、とんでもなく厳しいルートのなることが予想された。でも、雨は降らず、ちょうど良い湿り気で、やたらとグリップがよい。わだちもすぐにバンクになって、アクセルを思いっきり開けられるルートだった。でも、どろどろを想定して作った迂回路と直登のショートカットは、わかりにくく、結局、1日目はぜんぶ迂回路を行ってしまった。
鉄塔作業路の逆走は、意外と楽で、すんなりと登った。杉林の中は、毎年深いわだちに悩まされるのが、今年は超楽。赤土のシングルトレールも、グリップが良く、腕上がりさえなければ、さわやかツーリングだった。
2日目のスタートは、後ろから5組目。ギアを入れたままキックしたら、プチかぶりになって、エンジンがかからない。スタート台の下に移動して、ようやくかけることができた。後ろからは次の組が追っかけてくるので、せっせとアクセルを開ける。ふと気がつくと、腕上がりがない。身体も軽く、川の中でもよく動く。「おお、調子良いじゃん」と思いながら、川の中を走っていく。川から上がるところで、左に曲がろうとしたら前走者が泥にはまっていた。もうラインを変える余裕がなかったので、すまん、と思いながら、転けているマシンのフロントタイヤを踏んづけて、ぬた場を上がっていく。
川から上がると超ロングストレートが現れる。KTM125は、フロント13T、リアを51Tと微妙にローギアにしているので、あっという間にトップで吹けきってしまう。スピードは100キロ程度しか出ていないだろう。このストレートを過ぎると今度は長い川の登りになる。昨日は下りで、へろへろになって降りてきたが、今日は3速でとっとこ登っていける。何台か止まっているバイクを抜いていく。川の出口でも、つるつるの岩盤を登り切れずに苦労しているマシンがあった。KTM125は、そこでも2速で登っていくことができた。ただ、ローギアードにしているので、アクセルワークはものすごくシビアだ。ラフに開けると空転して、グリップを失ってしまう。なんとかスピードを上げて3速に入れたいが、つるつるとリアタイヤが回るだけでスピードが上がらない。路面が乾いて、ようやく3速に入れることができた。ここの登りは毎週たいへんだった。4周目にO田君が止まっていたのも、ここ。
3周目、この辺から後ろに付いてくるバイクに気がついた。2stの音だった。チェックポイントでカードを出しているのに手間取っていると、抜かれてしまった。133番だった。チェックポイントからしばらくの間、このバイクの後ろを付いていくことになった。見ているとずうっとスタンディングで走り続けている。ウッズの下りもわだちを微妙に避けながら、走っていく。スピードはこちらとほとんど同じなので、抜けない。登りは逆に付いていけなくなるときがある。向こうはKTM200らしいので、急な登りでは負けてしまう。ウッズが終わって、林道に出たときにちょっとした下りのストレートで無理矢理インに入って抜いた。と思ったらまた杉林の中に入っていく。
この杉林の中は、1箇所だけ登りにわだちができていた。右にターンして、浅いわだちに入ったら、下が硬い岩盤らしく、ぜんぜん登らない! 右の深いわだちから、どんどん抜かれていった。しかたなくバイクを下げて右の深いわだちに入れて、やっと登った。林道に出て、今度は鉄塔路。意識してショートカットを探すが、あれ?と思ったら、脇の道を後ろからきたバイクが何台も降りていく。迂回路を通ってしまったのだ。結局、4周目にやっとショートカットを全部通ることができた。
2周目の途中、杉林を出たところで、黄色のフラッグが振られていた。けが人が出たので、一時ストップさせられた。ここで1時間以上待つことになった。
つづく
今回のTips
June 22nd, 2005木古内への準備もほぼ完了した。今回、二つちょっと変わった整備を施してみた。
まず、タイヤ。よく見ると分かると思うが、チューブが二つ入っている。これで片方がパンクしても大丈夫という案配。いままでレース中にパンクしたことは1度しかないが、木古内のガレ場はけっこうやばいと思うときがある。手元に強化チューブが2本あったので入れてみた。
もう一つはウインカー。いままでのウインカーは転けると必ずと言っていいほど折れた。それでステーのないタイプを探してきた。これなら転けても、折れる場所はないので、大丈夫なはず。
それよりも、完走しろって? はいm(. .)m
仕事?
June 15th, 2005最近、こういうのを作ってる。まあ、半分仕事、半分趣味かもしれない。ハンダづけは小学校2年生の頃からやっていた。学校で習ったわけではない。回路図も真空管で覚えたので、トランジスタまでは理解できた。でも、久しぶりに最近のパソコン関連のインタフェースを見るとほとんどがデジタル(当然か)回路なので、さっぱりわからない。それでも回路図を見れば、なんとなく配線ができるので、こうして作ることができる。
今やっている仕事にしても、学校で学んだものはひとつもない。ほとんど趣味でやっていたか、独学で覚えた部分で仕事をしている。学校で学んだものといえば、「学校じゃなくても勉強はできる」ということ。
気分はもう・・・
June 13th, 2005朝からボウっとして、パソコンの前に座っては立ちを繰り返しているうちに夕方になってしまった。やばい、と思いつつ砂浜を散歩してきた。先月から始まった工事はまだ途中。巨大な風力発電の風車が3基建つらしい。こんなにでかいんなら、住民になんらかの説明があっても良さそうなものだが、何もなし。
気分はというと少しはやる気が出たが、もう木古内に向かって全力疾走し始めている。そうはいっていられないので、少し仕事をすることにした。今日と明日仕事をして、明後日辺りから整備することにしよう。
「シガテラ」最終回
June 9th, 2005「ヤングマガジン」で連載中だった「シガテラ」(古谷実)が終わった。稲中卓球部からファンになり、この連載も欠かさずに読んでいた。高校生の主人公が巻き込まれていく非日常的な内容を、良くここまで続けることができたかと思ったら、最終話は、至極普通の内容になっていた。フツウの話として終わることが、マンガでは異常なことに気づくと、この最終話もまた別な意味を持ってくる。
最終話のタイトルは「大人」。それまでの非日常的な内容を青春の一言で片付けることは無理なことだとわかっている。それでもあえて「大人」とタイトルを付けたのは、うがった見方をすれば、読者への警告ともとれる。主人公の徹底した主体性のなさは、本人も自覚していることであって、周囲に流されて、さまざまないざこざに巻き込まれていくのを読者は、高みから見下ろすように読んできた。自分なら、こんな主体性を持たない行動はしないだろう。読者は主人公が翻弄される姿を、自分はそうならないと言う優越感を持って読み進める。
物語の3分の2辺りから、ストーリーは少し変化した。美人の彼女ができる。いくつかのエピソードはあるが、最終話まで主人公は彼女を最愛の人と確信する。それが最終話では、すでに別れていて、別の彼女とつき合っている。「確信」は数年の歳月の内に風化しているのである。ここで、青春は風化することで皆大人になっていくのだ、と誤解してはいけないだろう。
最終話での主人公は、いつしか会社員になっていて、きわめてフツウの人生を送っているように見える。ここで読者と主人公は同じ日常の上にいることに気がつく。しかし、じつは古谷は、読者に皮肉とも言えるメッセージを投げているのだ。主人公が送るフツウの生活に退屈さを感じている読者の普通さこそ、つまらないのではないのかと。主人公はドカティを買うことを彼女に告げる。ドカティに託された非日常へのあこがれを読者は共感として受け取るであろうことを、古谷は知っている。
オレならドカティは買わない。KTMの06だな。たぶん最後の2st125を買う。